第2話 初デート

今考えるとおかしなことはたくさんあった。

でも何年も働き詰めの苦しい毎日を考えれば一人の男性とのこれからの将来、楽しい未来のためには少しくらい目をつぶろう・・

これがこれこそが失敗だったのだ!!!!!


初デートというか同窓会の後、初めて会ったのは私の店だった。

その日ヒロ(ゲス夫)が来た時間は一人のお客様がすでにいた。

そのお客様は常連で静かにコーヒーを飲んでいた。


ヒロはお店に入るなり耳をつんざくくらい大きな声で「この前は楽しかったよねー!今日は楽しみにしてたよ。これお土産!」と他のお客さんは目に入ってないの?というくらいあっけらかんと大きな音量で話しかけてこられた時には思わずしー!と指を出して合図したのに全くわかってないようだ。

大きな声で

あのさあ、あの時さあ・・と話始め、仕方なくうんうんと相槌を打っていたがその後お客様が何組も来始めたのにもかかわらず話が途切れない。カウンター中で料理をしながら聞くことにも限界が来た。

そして、仲がいい同級生が近くにいるから呼ぼうという話になりその友達がすぐ来てくれたおかげで私は話すことをやめることができた。


満席になり、私一人でやっている店なのでヒロと同級生2人には全く構うことができなかったが楽しんでるようなので放っておいたが、ヒロはお酒を飲むにつれますます声が大きくなり、なんか、この人耳が悪いからこんなに大声で喋ってるのかな?と思う程だった。


その日は遅くまで忙しく、お客様が全員帰ってやっとヒロ達の席に合流できて少し話してから解散になった。


その何日か後、ヒロと2人で会うことになった。


待ち合わせした場所にヒロは車で参上した。そして湘南方面に行こうと車を走らせた。その時に音量全開、話す声も聞こえないくらい永ちゃんの曲を流していて、

(これ、ありえない)と思ったのだ。

ありえないと思ったのに、やっぱりこんな優しい男性なんだから

それにこの人知らなかったけど同級生だったら信頼もできるし、うん、多少のことは我慢我慢!と交際を続けた。

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