第11話 君のお出汁に完敗
先月の誕生日は体がクタクタだったのでスーパーでお寿司10貫入りパックとチルドスイーツのムースで済ませた。
何日も前から計画していたブルーベリーチーズケーキを焼いたのは三日後のこと。
一口食べた時…
あれ?何だか味が薄いぞ。というより一応手作りスイーツの味だが何だか美味しくない。
ああそうか、スイーツ作りを始めてからはや2年。
自分はお菓子を作る事に飽きが来ていたのだ。
と気付き、衝動的に作って食べたい!と思うまでお菓子作りはやめよう。と決めて溜まってきたレシピ本と道具ををフリマサイトに出品して売ってから、
(簡単レシピ本一冊と型一個だけ残してます)
これからの人生何かを増やすことよりも減らす方を念頭に暮らして気楽に暮らそう。
と決め、
半年以上使っていない調理器具を始末する。
疲れる程凝ったレシピに挑まない。
惣菜や冷食でもいいじゃないか、エネルギーになるんだもの。
そして、
味付けは白だしにお任せしよう。と三日前業務用スーパーの白だし1リットルを生まれて初めて購入したのである。
帰宅後に白だしレシピを検索して初めて作ったのが卵雑炊。
お鍋に水1カップ半おご飯茶碗一杯分を入れてそこに白だし30ml。粘りが出るまで3分から5分煮て仕上げに溶き卵二個分を入れて完全に火が通るまで煮てはい、出来上がり。
麺つゆで味付けするとちょっと濃い、顆粒だしでは味がぼんやりする。削り節使うのは勿体無い簡単なようでいて味付けが繊細な料理、卵雑炊の完成したものをお茶碗によそい、スプーンで一口食べてみて…
うまい!ぱーっぱらっぱー!
と大昔の駄菓子のCMの魔女の老婆みたく目を見開いた。
翌日は茄子と鶏胸肉のさっと煮を白だしだけで味付けして作って汁まで啜って完食してしまった私は…
もう、白だしを手放せない。
と長年の自炊生活に革命をもたらした1リットルの調味料にんもう、なんでもっと早くこれ買わなかったんだろう。自炊ライフがもっと楽になってたのにと深々と頭を下げ、
「君のお出汁に完敗」
と大昔の洋画の俳優みたく呟いたのだった。
昨日の一言
作ることも捨てることも書くことも、楽しくやっていこう。
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