反省会
異世界『控室』。
「引き分けしか持って来られない女⋯⋯」
ぽつりとメルロレロが呟いた。ピエロ女はお尻を押さえて部屋の隅に蹲った。彼女なりに大変だったらしい。
「⋯⋯へっくち」
「負けたんだ、お前」
「うん⋯⋯ごめん」
高月さんがハートの鼻をかんであげる。心なしか肌が冷たかった。
『後半戦に入ったか、心なしか勝負が過激になってきた気がするね』
「二勝したのは俺様だけか。いやあ、面白くなってきたぜ! めっふぃは一勝で勝ち越しだっけ?」
高月さんが白ウサギを撫で回す。
――――私も! 私も!
全身うずうずでアピールするメルロレロ。淑女の意地で表に出さないよう抑え込む。結果、気付かれなかった。
「んんwww健気ですなwww」
「⋯⋯うっさい」
ポンと乗っけられた手をメルロレロは払う。最初ほど嫌がってはいない様子を見て、クサハエルはほくほく顔である。
「おいおい、ウチのくっ殺担当をデレデレにしてんじゃねえぞ!!」
「くっこ!!?」
「んんwwwあまりにもwwwチョロそうだったものでwww反省ですぞwww」
「チョロ!!?」
顔を真っ赤にして震えるメルロレロを、二人がゲス顔で眺める。そんな光景をつまらなそうに睨むハート。さっさとエンドフェイズと一緒に毛布に包まる。
「5勝2敗2分、勝ち越せばなんでも願いを叶えてくれるっていうのに二言はないな?」
「んんwww引き分けは負け扱いですがなwww」
「さらっととんでもないこと言いやがった!?」
メルロレロが指を差すが、高月さんの表情には勝ち気が満ちていた。
「上等だ! 俺様が全部ぶっ飛ばしてやる!!」
全勝の女が吠えた。勝手に吠えてくれる分には都合が良いので、クサハエルは何も言わないにこしたことがない。
ただし、意外に負けず嫌いだったのか一言。
「んんwww残りのゲームに貴殿が選ばれるとは限りませんがなwww」
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