反省会

 異世界『控室』。


「んんwwwゲーム終了ですぞwww」

「お、マジで一時間ぴったりだな!」


 先に呼ばれたプロローグが戯けたポーズで帰還する。


「キャハ! キャハ! ただいまおかえりお風呂にするうう!!」


 ぽぽいと道化服を脱ぎ捨てると、すっぽんぽんのままドタバタ檜風呂に突撃する。


「ああ! アイツ一番風呂突っ込みやがった! 俺様狙ってたのにぃ!?」

「いえ、高月さん。それよりゲームの内容を聞きださないと」

「⋯⋯無理じゃないかしら」


 メルロレロとハートがバチバチ睨み合う。何かと反目し合う二人だ。


『僕がテレパシーで聞き出しとくよ。入浴中は割と大人しいみたいだし』

「頼むーめっふぃ」

「え、待ってどさくさに紛れて何しようとしているのあのウサギ」


 あわあわするメルロレロの頭を高月さんが撫でる。空気の抜けた風船のように大人しくなる。


「クサハエル、結果だけは教えてくれるんだろ?」

「んんwww見事なまでの引き分けですなwww」

「⋯⋯まともに、ゲームできそうに、ないもの」

「んんwwwwww」


 勝利条件をまともに達成できる人格ではない。引き分けという結果も妥当な結果だった。

 そして、ソファの上に輪郭が崩れた少女が落ちた。転げ落ちそうになってハートが慌てて支える。


「おい、気をつけろよッ!」

「んんwww正直すまんかったですぞwww」


 言いながらもクサハエルの表情は変わらない。若干目が据わりつつある高月さんが、顎で結果を促す。


「んんwwwその子www豪快に負けましたぞwww」


 面々に緊張が走る。


「え、コイツが戦闘能力で競り負けたってのか!?」

「んーんwwwwww」

「そりゃ壮絶な光景だったろうぜ⋯⋯」

「んんwww結果以外のゲームの情報はお話出来ませんが、まさに神話の一ページのような激戦でしたぞwww」


 硬直するメルロレロ。心なしかぐったりした(※いつも通りです)エンドフェイズの肌を摩ってあげるハート。

 一方、高月さんだけは不敵な笑みを浮かべていた。


「上等だッ! こんな腕っぷしが強ええ奴ゴロゴロいるのか!? 楽しみだぜ!!」

「んんwww五番手にしては評価が高いですなwww」

「当たり前だ。コイツは俺様と同格、下手すりゃ格上の実力者だからな!」


 そう言って、高月さんはエンドフェイズの額を撫でた。こうすると喜ぶのを直感的に理解していた。


「んんwwwでは、油断なきようお願いしますぞwww我も勝ち星が多い方が良いですしなwww」

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