第5話なんだかんだで結局は楽しい。

それからお昼になりまして。みんなが戻ってきましたよ。

「いやー遊んだ遊んだ!」

「いやー和也泳ぐの下手だねー」

「うっせ」

「いやー杉村くんと玲香荷物見てくれてありがとうね!」

「大丈夫っす」

「私も全然大丈夫。杉村と喋ってみたかったし」

「えー玲香、杉村くん狙ってるー?」

「ね、狙ってないし」

「ふーん」

「にやにやすんなし」

「まあとりあえず飯食べようぜ。遊んで腹が減った。」

「マジそれー!マジ腹減り過ぎて死ぬレベルしょー!」

「はいはい。じゃあはやく海の家行こっか」

海の家か、昔食ってる最中に一緒に虫も食ってたっていう記憶しかないのだが

「みんなは何食べる?」

「んー焼きそばかな?」

「俺も焼きそばかなあとフランクフルト」

「いやー焼きそばもいいけどラーメンしょ!」

「私もラーメンかな?玲香と杉村くんはどうする?」

「私はかき氷だけでいいかな。あんまお腹空いてないし。」

「俺はカレーでいい。」

「カレーかいいな!達也おれの焼きそば少しやるからカレー少し食べていいか?」

「あ、うん。別にいいけど」

「あのー焼きそば2つ、ラーメン2つ、フランクフルト、カレー、かき氷を1つずつで」

「わかりました。合計2800円になります。」

「あっここ私がここ払うから後で頂戴。」

「おー了解。」

「わかったしょ!」

そして各それぞれの頼んだものを頼み、食べていくと邦洋がなんか言い始めた。いや飯の最中に喋るなや。お母ちゃんに言われやろ。口を閉じて食べなさい。ってえっこれ矛盾じゃね?まあそこは置いといて。さて邦洋くんどうぞ。

「んでさ、この後みんなでスイカ割りでもやるしょ!」

「あーいいね!スイカ割り!夏と言ったらスイカ割りだよね!しかも食後のデザート買おうとしてたんだよね!!!」

「まあいいんじゃない。ただ泳いで帰るのも少し物足りないし」

「やっぱそうでしょ!そう思うしょ!」

「じゃあこれ食べ終わったらやるか。」


「上!右!左!」

「えっどっちどっち」

「上上!」

「あっちゃーハズレちゃったか〜」

「次は杉村くんだねはいこれ目隠し。」

遂に来た。この時が。スイカ割りを割る時が。そもそもスイカ割りはスイカを割るゲームではない。これは人を疑うゲームだ。なぜならスイカ割りは友達...元い他人からの言葉で動くゲームだ。自分は回って距離の間隔があやふやになっている。そして他人からの言葉で動く、言うなれば俺はキャラクターだ。

こいつらが嘘をついて違う方向に向かわせられるかもしれない。陽キャはそんな事をするやつら....だと思っていたが....

「うわー杉村くんすごーいよく割れたね!」

「それりゃ俺の指示のおかげしょ!」

「でもさ邦洋。これ割ったの結局杉村だからな?」

いやー一応逆らうのが怖かったから従ったけど普通に落とし穴とかに落ちなかった。まあ別にさっきまで普通に遊んでたしな。流石に落とし穴とかは普通にないよな。


「いやー楽しかったねー!」

「おっそうだな」

「最後の和也の水着が流されたのはマジで爆笑したわ」

爆笑ね。爆笑ってみんな大きな声で笑うって思ってるかもしれないけど爆笑ってのは複数が笑うことが爆笑なんだよね。まあさっきのやつは普通におもろかったわ。だって普通ぬげるかあれ。

「おい!やめろよ!もう俺のライフはもうゼロよ!」

「はいはい。わかったよ」

「んじゃそろそろ解散しましょうか!」

「そういえば達也ってどこ方面だ?」

「あっすみれ方面だけど....」

「ふーん」

「んじゃ俺と愛香達はこっちだから」

「うん。じゃあねー。また遊ぼうねー。」

「あっうんまた遊ぼ」

「まあ機会があれば....」


「今日ほどうだった?」

「疲れた」

「えっそれだけ?」

「まあそうだな。でも楽しかった。案外陽キャ達と遊ぶのも悪くはない」

実際普通に楽しかった。少し疑ったんだけどへ。

「ふーん。まあ杉村が楽しかったなら良かった」

ん?やだ。これってツンデレ?可愛いだけど。

「もしかして杉村照れてる〜?」

「て、照れてない。」

実際照れてない。照れない。照れない...はず....

「んじゃ私この後寄る所あるからもう帰っていいよ」

「わかった。じゃあな」

「はいはい、じゃあね」

「なぁ」

「ん?なに?」

「今日はありがとう。んじゃなあな玲香。

「どういたしまして。バイバイ達也。」

初めて俺と玲香が恋人元い夫婦に少し近づけたと思った瞬間だった。







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