第12話 尻拭い

俺は落ち込んでいた。

「はぁ」

「ゆうちゃん、元気出してよ。」

「しかしなぁ~1億も組に損害出すなんて・・・」

「気にしなくていいよ、どうせ、ゆうちゃんが稼いだお金なんだから。」

「うーそれでもだよ。」

「もう、それぐらいまた稼いだらいいんだよ。」

「・・・そうだ、穴埋めしないと。」

「ゆうちゃん?」

「チカ、ありがとう、やるべき事が見つかったよ!」

俺は部屋から出ていく。

「ゆうちゃん!ちょっとどこいくの!」


それから1ヶ月俺は全力で金策に走る。

「おやっさん・・・今月の上納です。お納めを・・・」

「お、おい、大丈夫か?」

「四・・億六・千万・・あり・ま・す。これが・俺のケ・ジメ・で・す・・・」

バタッ。

「ユウヤ、おい!誰か病院に連れていってやれ!急げ!」

俺は病院に運びこまれた。


医者の診断を代表してチカが聞いていた。

「睡眠不足と栄養失調ですね。」

「えっ?」

「どれだけ、寝ずに食べずにいたんですか!いくら若いとはいえこんな生活していると死にますよ。」

「すいません。ちゃんと監視しておきます。」

「いえ、あなたに言ったわけではないんですよ。御家族にお伝えください。」

「いえ、私が家族みたいなものですから。ちゃんとしますね。ホントにすいませんでした。」


病室・・・

「ゆうちゃん!何してるの!」

「おーチカちゃん、寝たら楽になったよ。」

「楽になったよじゃないの!どれだけ、無茶してるの!」

「いや~ギリギリを狙ってたら寝れなくて。」

「それだけじゃないよ、なんで御飯も食べてないの!」

「食べてたよ、カロリーメイトとか?」

「それはいつ?」

「・・・2日ぐらい前?」

「ダメです!」

「でも、ちゃんと自分のケツをフケたよ。」

「もう、ゆうちゃんは一人暮らししてはいけません!うちで暮らしてください。」

「い、いや、もう無理はしないから。」

「ダメです。私が生活を管理しますからね。」

「おう、ユウヤ生きてるか?」

「おやっさん、この度は心配おかけしました。」

「おうよ、いきなり倒れるから驚いたぞ、まあ、しばらくはゆっくり休め。」

「しかし、まだやることが!」

チカがギュット抱き締めてくる。

「ダメですよ、絶対安静が必要なんです。お父さん、ゆうちゃんはうちで暮らすけどいいよね。」

「おう、構わんぞ。遅いか早いかの違いだしね。」

「おやっさん、止めてくださいよ!」

「なんで?」

「はぁ、じゃあしばらく御厄介になります。」

俺の一人暮らしが終わった時だった・・・


「さあ、ここがゆうちゃんの家だよ。」

「なんで、チカちゃんの隣の部屋?不味くない?」

「なんで?」

「いやいや、年頃の女の子だよ、隣の部屋だと何かあったらいけないだろ?」

「そう?あっこれ私の部屋の鍵ね、用事があったらいつでも来ていいから。」

「なんで鍵渡すの!何かあったらどうするの!」

「えっ?何かあったら・・・責任とってくれるでしょ?」

「それはね何かあったらね。」

「じゃあ問題ないよ、いつでもきてね♡」

「俺が変なの!おやっさーん」

「なんだ、ユウヤうるさいな!」

「あのですね。チカちゃんが部屋の鍵を渡してきたのですが、何かあればまずいでしょ?」

「おー鍵を貰ったのか?俺も持ってないから安心しな、それで夜這いはいつ?」

「おやっさん、頭おかしいんですか!娘の部屋の鍵を男が持ってるんですよ、止めるのが父親でしょ!なんで夜這いの日を聞いてるんですか!」

「俺は娘の意思を尊重しているんだ、それに膜を失くしたからって死ぬわけじゃないしな、安心して破ってこい。」

「あんた!最低だよ!」

「しかし、だな俺も父親として1つだけ言わなければならない事がある。」

「何ですか?」

「する時は避妊をするなよ。」

「そりゃとうぜん・・・あれ?ねぇ、おやっさん?避妊をするなって言いました?」

「おう、そう言ったぞ。」

「逆でしょ!普通避妊しろって言うでしょ!」

おやっさんは真面目な顔をして。

「ユウヤ、俺は孫の顔が早く見たいんだ。」

「ふざけるな!チカちゃんを何だと思ってる!」

「いいじゃん、14歳の母目指そうよ。」

「目指さない!」

「えーーー」

「ホントにあんた父親か!」

「残念ながら父親なんだな~ほらパパと呼んでもいいんだよ。」

「倉田さん、親分の頭がおかしくなりました。」

「元からだ、直しようがない。」

「叩けば直りませんか?」

「うむ、いい考えかもな少しやってみるか?」

「まて、倉田、組長を殴る気か・・・」

「壊れた組長は殴って直すしかないからな。」

「まて、考えなおせ!」

「倉田さん斜めから殴るのがコツみたいですよ。」

「コラ!ユウヤいらんこと言うな!」

「コウか!」

ブン!

「・・・倉田、加減は大事だぞ。」

「倉田さんやっちゃえ。」

「ユウヤ!!!」


倉田さんに叩かれて痛がってる組長が完成した。



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