一寸の恐怖笑 いっすんのきょうふショー

松長良樹

第一話 偽りの星

 宇宙時代の話である。人類は縦横無尽に宇宙を飛び回っていた。


 あるとき見知らぬ惑星から救助信号が送られてきた。どう聞いても、か弱い女の声で「たすけてーっ!!」と聞こえるのだ。


 慈悲深い人間の事であるから、その信号をキャッチすると、早速、助けに行こうということになった。


 かなり遠い星だったがやっとその星を見つけると、まるでスカイツリーのような高い塔のてっぺんから、その信号は発進されていた。

 すぐさま宇宙船が近づくととんでもない事がおこった。なんとその星に亀裂が入り、大きな裂け目が出来たのだ。


 そしてあれよ、あれよ、という間に宇宙船はその割れ目に吸い込まれてしまった。


 痛ましい事件であったが、それ以来人類は決して未知の信号へは近づかなくなった。

 そして誰言うともなくその星は「アンコウ」と呼ばれ恐れられた……。




                END

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