空へ還る

そうして


父の位牌と遺骨と一緒に

わたしと息子達は山の家へと帰ってきた


「おとうさん、うちに帰ってきたよ」


祖母と母の写真の横に

父の写真を並べる


早く来すぎだと

母に叱られている父が見えるようだけど

せっかちな父にしたら

それでも恋女房に逢うのを

随分と我慢していた方だろう


そんな事を話しながら

わたしと息子達は微笑みあう



おとうさん

心配しないでね

あなたの娘も孫たちも

何とかやっていきますから

頼りないことも沢山あるだろうけど

あなたの娘ですから、孫ですから


おとうさん

おかあさんとおばあちゃんと一緒に

見守っててくださいね

そうして

その時が来たら

また会いましょう


あまり早い再会にならないように

わたし

精一杯、生きますから


あなた達の娘として

子供達の母として

生き抜いた後で

わたしも空へと還った時は

どうか


もう一度、抱きしめてください


おとうさん


また会う日まで


おとうさん


ありがとう

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永別の詩 つきの @K-Tukino

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