肌身離さず

 語り部の、彼女との距離の取り方が絶妙で良い。そうした土台があって初めて本作最大の『行為』が浮き彫りにされる。
 作者は舞台の設定に相当苦心したのではないだろうか。この上なく現実味を訴えかけるそれは、人形が備えた背景を無言のまま抱えている。
 詳細本作。