第5話 お買い物しよう
冒険者ギルドを出た私とひぃろは、まずは洋服屋さんへ行く。今着ているのしかないから、下着も欲しい。クリーンはしていても気になる、着替えたい。
冒険者ギルドから曲がって3件目なのですぐについた。ドアを開けるとからんと鐘がなった。
「こんにちは。少し見せて貰いたいのですが、獣魔のスライムも入って大丈夫ですか?」
「いらっしゃいませ、スライムだったら大丈夫よ。ゆっくり見ていって下さいね。床に降ろしても大丈夫よ~」
「ありがとうございます、見せて貰いますね」
ひぃろに床に降りて貰って、洋服を選んでいく。
『ハル、それ似合うくま~』
『ハル、それよりこっちがいいと思うくま!』
意外と的確に助言をしてくれるひぃろにびっくりする。まさかスライムに服を選んで貰うことになるとは……。ズボンとチュニックなど着回しが出来て動きやすそうな物を選んでいく。下着もいくつか選んで置いておく。
ふとお店の端を見ると、生地も売っていた。向こうでは手芸が趣味だったのもあってバッグも作っていた。
今、バッグもないから作れるなら作りたいな。錬金で作れないかな。斜め掛けバッグとか、お金を入れる物も欲しい。アイテムボックスから出す時も安全な気がする。錬金で作れるかどうやったら分かるかな……。
バッグを錬金出来るかを思い浮かべながら生地を鑑定してみる。
厚手の生地:バッグ制作に向いている。錬金材料(生地、糸)
鑑定スキルも錬金スキルも素敵!
錬金でバッグも作れるのね、いろいろ作れて楽しい。後は糸を買えばバッグを作れるみたい。よし、買っていこう。
厚手のカーキ色の生地と巾着用に薄手の生地、生地に合う糸も選んでお会計してもらう.
「ひぃろ、お待たせ」
『大丈夫くま~、でもお腹すいたくま~……』
と言いしょんぼりしてみせるひぃろ。
「ごめんね、私もお腹空いた。冒険者ギルドの近くに屋台があったから今日はそこで食べようか」
そう言うと、ひぃろがぴょこん!と元気になった。
『屋台! 行くくま! 早く行くくま~。ハル抱っこしてくま~』
そんな可愛い事を言うひぃろを抱っこして、冒険者ギルドの方に歩いて行く。
冒険者ギルドに向かうと、美味しそうな香りがしてきた。いくつも屋台が出ているけど、何がいいかな。
「ひぃろはどんなものが食べたいかな?」
『ハル、あそこの串肉おいしそうくま!食べたいくま~』
「本当だ、良い香りもするし美味しそうだね。私もそれにしよう。ひぃろは何本食べるかな?」
『2本食べたいけど、いいくま?』
「もちろんいいよ、私は1本でいいから3本買うね」
屋台のおじさんに注文しに行く。美味しかったら何本か買って、アイテムボックスにしまっておこう。
「こんにちは、3本くださいな」
「お嬢ちゃん、今焼きあがるのがあるからちょっと待っててな」
「はい、ありがとうございます」
ひぃろと焼けるのを見ながら、ウキウキしながら待つ。
「はい、お待ち! 熱いから気を付けてな」
「ありがとうございます、美味しそう」
『ハルハル、早く早くくま~!』
お金を支払い、串肉を受け取ると近くにあるテーブルに移動する。
ひぃろが食いしん坊になってる気がする。でも嬉しそうだし楽しそうだからいっか。一緒に座って食べると、とっても美味しかった。
「『美味しい~~!』」
「ひぃろ、これ10本くらい買って、アイテムボックスに入れておこうか」
『くま! それがいいくま~。ハル大好きくま~』
ひぃろ……大好きはとっても嬉しいけれど、食べ物につられているわ。連れ去られないか心配になるよ? でも美味しいものはやっぱり一緒に食べたいから、ひぃろも一緒に食べられるのはとても嬉しい。
2人で美味しく串焼きを食べて、屋台にもう一度買いに行く。
「すみません、とっても美味しかったので、後10本お願い出来ますか?」
『おいしかったくま。お願いするくま』
「おう! 嬉しい事言ってくれるぜ。ちょっと待っててな」
焼いてもらっている間に、近くの屋台で飲み物も買ってくる。アプルのジュースを2つ買ってきた。これもさっぱりと美味しい。
ひぃろにジュース飲めるのかちょっと不安だったけど問題なく飲めた。コップのままぱくんと取り込んでて、飲み方にもちょっとびっくりした。ちゃんと飲み終わったコップは出してくれたから吸収するものは選べるらしい。
「お待たせ! 嬢ちゃん達、ありがとうな!」
お金を支払って10本を受け取ると、アイテムボックスに収納しておいた。
「お。収納持ちなのか。でも人通りの多い所は気をつけろよ!」
「はい、ありがとうございます」
『ありがとくま~』
ご飯を食べて元気も出たし、お買い物の続きをしよう。次はどんなお店があるかな。きょろきょろしながら歩いていると、雑貨屋さんがあった。調理器具とかもあるみたいなので、覗いて行く事にする。
「こんにちは、見せて貰ってもいいですか? 後、スライムの獣魔がいるのですが、入っても大丈夫ですか?」
「はい、こんにちは。その可愛い子はスライムなのね。大丈夫だから、どうぞごゆっくり見て行ってくださいね」
「ありがとうございます」
『ありがとうくま~』
この雑貨屋さんには、冒険者用の物から一般の人向けのものまでいろいろ売っていた。これから旅をする事を考えると、テントも欲しい。
シールドを張ればテントを出しても安全に過ごせるし、調理もしたい。お金足りるかな……。神様が用意してくれたお金も使う事になりそうだ。
「ねぇ、ひぃろ。このテントどうかな?」
『良いと思うくま。ハルがお外でもゆっくり眠れるのは大事くま!』
「このコンロはどうかな? 旅の途中でもご飯が作れるんだけど……」
『それはもちろん買うくま! 大事くまっ!』
美味しい物を知ったひぃろは、食にこだわるようになったらしい。そんなに力説しなくても……。
まぁ、美味しい物は大事だよね。ちょっと高くつくけど、神様に感謝して買おう。でも明日から稼がないとだね。
「でもひぃろ。高いから明日から依頼頑張ろうね」
『ぼくもがんばるくま~』
「うん、一緒に頑張ろうね。そして沢山美味しい物食べようね」
『くま!』
テントとコンロ、後お鍋とか色々買う事にしたので、大分お金を使ってしまった。でもこれで旅も安心になってきた。後は食材もアイテムボックスに色々入れておきたいな。
街を見て歩いていたら市場についた。鑑定で食材をチェックしながら買っていく。
日本の食材に似た物も沢山あったので色々買っておいた。小麦粉は大量に買っておいた。後はトマト、玉ねぎ、キャベツ、チーズ、卵、牛乳、バター。お砂糖もあったので多めに買ってアイテムボックスに全部仕舞っていく。
調味料はお醤油とお味噌とかはなかったけれど、スパイスとかハーブ類は充実していたので、日本ではそこまでスパイスを使わなかったけれど、楽しそうなので色々と試してみよう。
「ひぃろ、そろそろ宿に帰ろうか。沢山買ったから整理しないとだね」
『帰るくま~』
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