徹頭徹尾、幻想的な〝青〟を感じる作品でした。

どこか暗く、薄闇に微睡む海の青。燦然と輝く月光を反射させる白く眩い青。魂の船渡しアオイの持つ悲しい宿命と彼女の織りなす切ない想いが最後まで雰囲気を途切れさせることなく、あまつさえ心地良い余韻さえ与えてくれる良い短編でした。
また、船着場で出会う人たちのヒストリーにも緩急があり、文章としても非常に魅せる作品だと感じました。

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