第34話 投稿サイトではなぜ交流が活発化しないか

お互いに意見や感想を言い合って切磋琢磨しよう…と言っても、全然盛り上がらない投稿サイト。盛り上がってるのは人気が出た人、あるいは客観的にはそうでなくても自己満足できるほどの「人気」を得た人。


盛り上がらないというか、盛り上げにくい理由。

簡単に言えば、10人なら10人集めてもランク付けされてしまうからでしょう。

そして、実力というのは大体決まってるので、要するにボスから奴隷まで決まっちゃうわけですね。で、ゲームに勝って上にいる人は面白いけど、下にいる人は面白くないので活動も低下する。…っていうか、「お互いに意見や感想を言い合って切磋琢磨しよう」なんて、一体どこに行ったの?という話。結局、力持つ人が力を見せつけて自己満足する自〇行為になってしまう。ついでに言うならば、自己満足した人すら、建設的な意味での意見や批評は一切受けられず、結局は御自分の成長には一切ならないと。


10人なら10人、対等な立場で集めて作品を読み合わないと何の意味もないでしょう。例えば、あらかじめ評価が高いと数字で示している人に批判的な意見は言いにくいし、逆に評価が低い人の事は褒めにくいと。でもそれじゃ、「意見を言い合いましょう」っていう意味が何もないわけだ。だから、自己満足で気持ちよくなる人とそうでない人が出るだけで、そこには成長は何一つありませんよ、と。それだったら自分一人で色々勉強しながら創作に集中したほうが間違いなく良い。


でも難しい話です。現時点で人気があろうとなかろうと、昔から居ようと新参者であろうと、とにかく作品は対等に並べてみんなで鑑賞して意見言い合いましょう、という、このくそ簡単な事ができないわけです。

作品から「数字」を消すっていうのは、驚くほど、各投稿サイトが執着していて、どれだけ有効に機能しているか怪しいのに(企業収益という意味で)、絶対にやめようとしませんからね。


…と、思いきや、じつは、「小説家になろう」は(だけは?)一度作品の頁に飛んでしまうと数字は出てこないんですね。

小説家になろうは、本当に、個人的には大した機能もなく広告だけペタペタ貼ってある(イラスト系のpixivよりはマシですが)印象なんですが、「余計な事はやらない」っていうふうに徹しているなら、結局最後はここが勝つ可能性もありますね。

他社は、普通に考えれば、小説家になろうにはできていない事をきちんとやってユーザー引き剥がせば速攻で「勝ち」のはずなんですけど、余計な事ばかりやって肝心な事を直してないと指摘できます。中身は小説なのにイラストで魅せようとするなどは愚策の典型例で、「私はイラストを見たいんじゃなくて小説を読みたいんだけど」っていう人は小説家になろうに戻るだろうし、結局上位者ほどさらにおいしい思いができるシステムはなろうでも同じなので、「なろうでいいや」ってなって戻る人もいる事でしょう。


投稿サイトの運営側としてはきっとラクな商売で、放っておいても勝手にコンテンツがどんどん投稿されるんで。

小説サイトをイラストで魅せようっていう愚をやってるところは、そんなに長続きしないと私は予想しますね。ある意味「王道」でやってる小説家になろうが、結局勝っちゃうのかぁって。

イラストだけだったら、どこと勝負しようが pixiv の勝ちのはずですけど。でも pixiv の運営も何も考えていないのか、イラストと小説わざわざ分けちゃって(もとからイラストのほうにも小説は投稿できたはずですけど)、連動させたりとか、元のイラスト側のほうで小説を検索しやすくするとか、そういうアタマは全く無かったみたいで。…でも、それでもきっと儲かってるんだろうから、よほど食いもんになる商売なんでしょうね…。搾取される人は搾取され続けて。

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