第4話 待ち合わせ

 今週末は珍しく親父が帰ってきた。最近の学校とか友人関係とかを聞かれた


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 翌週学校に行くと石垣陽翔いしがきはるとに声をかけられた


「おい隼人はやと、明日放課後お前の歓迎会をサイゼでしようと思ってるんだけどこれる?」

「誰が来るの?」

「それ最初に聞く?んまあ、全員くるけど」


 全員の予定が合うまで待っていたのだろうか


「明日は行けるよ」

「おっけ、みんな本人の参加が決まったぞ」


 と陽翔がクラス全体に言った瞬間、クラスが絶叫に包まれた

 うるさいうるさい、俺が参加することだけでそんなに叫ぶな


「放課後にサイゼってことは晩飯を食うの?」

「そそ、だから親に言っとけよ」

「うん」


 明日は親父は帰ってこないと言っていたので問題ない


 放課後はバイトでファミレスに行った



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 翌朝、昇降口で靴を履き替えていると声をかけられた


「隼人君おはよー」

「うーす」


 声の主を見ると綾乃と陽翔だった


「おはよ」

「今日5時に駅集合な」

「何が?」


 よく分からなかったので疑問を口にしたら、陽翔に思いきりため息をつかれた


「お前の歓迎会だよ。昨日言ったろ、忘れたのか」


 ああ、そのことか。忘れていた


「放課後までは覚えといてくれよ。ていうかお前の家俺の近所じゃん、むかえいくわ」


 え?陽翔に俺の家の場所教えたかな

 ふと陽翔を見ると俺の学生証を持っている。あれは確かブレザーの内ポケットに入れていたはずなので胸のあたりに手を置いたが、そこにはの感触がなかった


「いつ取った?」

「ついさっき」

「お前人の内ポケットからスレるんならすりで生きていけるんじゃね」

「ん~無理。お前の内ポケットがら空きだし、そもそも隼人が脳死状態で生きてるから気づかねーし。でもトートバックくらいならいけるんじゃね?」


 と言いつつこっちに学生証を差し出してくるので受け取る

 こいつまじか、犯罪臭しかしねー


「隼人君ほんとに脳死状態で生きてるよねー」


 うるせー、ほっとけよ

 そんな綾乃と陽翔をほったらかして教室に向けて歩き出す。しばらくすると二人が追い付いてきた。


「ねね、二人は提出物終わった?」

「え、なんの?」

「うん終わった」


 俺と陽翔の声が重なった

 ところで何の提出物だろう


「やってないの?」

「なにを?」

「あ~冷水こいつ先生の話一つも聞いてないぞ」


 そこまでわかるのか。怖いな陽翔の洞察力は

 先生の話を一つも聞いてないのは事実だが


「何の課題?」

「英語の長文課題、今日までって言ってたよ」


 時間のかかるやつだ。答え写せばいいだろうと思っていると、綾乃が悪い笑顔を顔に浮かべだした


「ちなみに隼人君残念だけど答え無いよ」

「英語何時間目?」

「二限目だぞ」


 二限目なら一限のうちにやればいい


「なら一限のうちにやる」

「間に合うの?」

「量によるけどだいたいできると思う」


 という話をしていたら教室についたので綾乃は奥のほうへ行き、俺と陽翔は廊下側の席に座る。陽翔がカバンを机にかけてこっちに椅子を向けてきた


「ねえ隼人、おまえ」

「ホームルーム始めるぞー」


 陽翔が何か言おうとしたが先生が入ってきて遮られた

 ホームルームの後、陽翔が教室から出て行ったので聞きそびれてしまった


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 なんとなく授業を受けて帰りのホームルームが終わった。一様一限目に英語の課題は終わらせた。みんながぞろぞろと帰っていく流れてに乗って校門を出た。校門を出た瞬間みんなそれぞれの方向に歩いていくので流れが弱くなる。駅に向かって歩く人をしり目に駅とは反対方向に歩き出す。電車通学の生徒を見て陽翔が口を開いた


「電車通てめんどくせぇよな、俺近さでここ選んだし」

「私は学力で選んだら近かったよ。隼人君は?」


 俺はなんでこの高校選んだのだろう?気分かな


「なんとなく。だってここの高校の事全くわからんし」

「確かにな。俺ここ選んだせいで勉強めちゃくちゃしないといけなくなった」

「石垣君一年の頃からずっと170番台よね」


 うちの学校は約300人の生徒がいるので陽翔は半分よりはしたということだ


「綾乃は何位くらい?」

「私はふ、二桁かな」

「嘘つけお前この前三桁だろ」


 要するに100位くらいでさまよっているらしい


「ところで隼人君は何位くらい行けるかな?」

「意外に良さそうじゃね」


 意外ってなんだよ


「いや~200番台だと思う」

「なんなんお前ら。俺そんなに勉強できなさそうか?」

「うん、めっちゃできなさそうだぞ」


 陽翔がそう言うと隣で綾乃まで首を縦に振りだした

 もうどうでもよくなって無視したら会話が途切れてしまって二人とも黙ってしまった

 そんなことをしているうちに商店街の入り口についた


「じゃあ、5時に駅で。ばいばい」

「ばいばーい」

「うん」


 綾乃が商店街の中へ消えていく。ふと疑問に思うことがあったので陽翔に聞いてみた


「お前綾乃とそんなに仲良かったっの?」

「いや、最近よくなった。隼人と友達になろう同盟的なやつさ」


 なんだその同盟。こっちにしたら迷惑でしかない

 とりあえず話を変える


「ところで、陽翔の家どこ?」

「んー、お前の部屋3階じゃん」

「あぁ」

「それで俺ん家は4階」


 いや、それは近所とかいうレベルじゃない。建物一緒じゃねぇか

 そんなやり取りをしていると、家であるマンションの前についたので中に入る。オートロックは俺が開けさせられた。エレベーターが3階についたので陽翔と別れて降りる


「じゃ後で行くから用意終わらせとけよ」

「おっけ」


 といい陽翔は上に流れていった

 部屋の鍵を開けて部屋に入る。リビングダイニングに繋がる廊下の途中にある2つの扉のうち右の扉を開けて部屋に入る。制服を全部脱ぎハンガーにかけてロッカーにしまう。とりあえず、ジーンズと長袖の白シャツを着る。リビングのソファーに座ってテレビのニュースを見ているとチャイムが鳴った。多分陽翔だと思ったのでテレビを消してパーカーを羽織り、財布とスマホを持って玄関の扉を開けるとそこには陽翔と綾乃がいた。そのせいで1番に驚きを口にしてしまった


「綾乃来るの早くね?」

「隼人くんのために急いできたんだよ」


 そんなことを言う綾乃はスキニータイプのズボンに白いゆったりめの長袖の服を着ていて髪を下ろしていた。なんか綾乃の元気さを表してる感じだ。陽翔の方は黒いスウェットパンツに黒いジャージの上着を着ていてスポーツマンな印象を与える感じだ


「いや俺望んでないけど」

「いいから早く行こ、みんな待ってるよ」


 俺のためにと言われたので反論をしたら軽く流された。そして俺を陽翔と綾乃の2人がかりで駅まで引きずっていった

 ていうか綾乃が俺の家に来るなら5時に駅で待ち合わせしなくてよかったやん

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

町の光が心を融かす チデン @moi_moi0124

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ