夢いた未来

Yumemi

プロローグ 夢を見ていた




俺は、夢を見ていた・・・のか...?




あの日の俺は

朝、目が覚めると尋常ではない汗と荒い呼吸に、現状何がどうなって今こうしてるかがまったく理解できなかった。

荒くなった呼吸を、とりあえず静めようと

ゆっくり深呼吸をし、落ち着かせ。

枕元にある日付時計の時間と日付、


日...付...?


思わず口から出そうになったが1度飲み込み、そっか壊れたのかと思いカレンダーに目をやり、携帯を開く。目を擦り改めて日付時計を見る。

そして、1度飲み込んだはずの困惑と疑いの原液が言葉となって吐きでた。



「4月...6日...??」



俺は訳もわからず、まだ何かの間違いだと思い魔睡の掛け布団をいで、

足元がおぼつきながらも急いで階段を降り

「な〜に?そんな急いで、まだ6時半でしょ〜?」

キッチンにいる母へとたずねた。

「母さん!今っ......あれ...??」


そこから、俺の記憶は手に取った水のように


「なに?どうしたの?」


隙間から流れ落ち


「って大丈夫、?!すごい汗...!!」


静かに、消えていった。


「うん...大丈夫。なんでもない...」



ただ今もまだなお覚えている事忘れなかった事がある。

俺は既に夢の中で、この新品のなんとも言えない匂いの制服を身にまとい、母の15回にも及ぶ忘れ物チェックの後、新入生として高校に入学した事。


そして、その放課後に屋上で1人の女子生徒と運命的な出会いを果たし、



その子に初めてのをした事!✨



「ふっ、ふふふ...」

「おにいちゃん、どうしてひとりでわらってるの?」

ネクタイを締めながら笑う俺を、鏡越しに妹が目を丸くして不思議そうに覗く。


「はっ!ことね...いつからそこに...」

「?さっき!おかあさんがよんできなさいって!」

この無邪気な笑顔と元気...なんとも愛らしい。この笑顔を俺は一生かけて守ろう。だが、ことねはまだ小2。父親がいない分、俺がダメなものはダメと言わなければ...


「...いいか、ことね?よく聞きなさい」

「ん?」

「前にも言ったが、お兄ちゃんの部屋には呪いがかかっているんだ...ノックもせず勝手にこの部屋に入ると、グリモワール書の悪魔アモンの邪気が」


「功樹ー!はやく降りてきなさーい!遅刻するわよー!」


母の声が家中に響き家が揺れる。


「なんて邪気の強い咆哮ほうこう...!人間の域じゃない...きっと魔人イフリートが憑依ひょういして」

「おにいちゃん...さっきからなにいってるの??」





そして、あの日...あの曇り空の夜。







俺は、






彼女の目の前で...死んだ。



そして目覚めた。



「はあ〜、最後の2行さえ無ければ完璧だったのにな〜」

靴紐を結びながらぼやく俺の後ろで、片腕を組み右のてのひらほほにつけた、なんとも母らしい立ち姿の母が呆れた様子で呟く。

「なに1人でぶつくさ言ってんのよ。お弁当、かばんにちゃんと入れた?」

「入れた」

「筆箱は?」

「持った。...ん?うわ〜、すげーデジャブ...」

【デジャブ】・・・それは、忘れかけていた夢での出来事が、現実リアルで起こる事で呼び起こされ、なんだか少し懐かしい気持ちになる事。*自己解釈

「ハンカチはポケットに入れた?生徒手帳は持った?コンタクトは?歯磨きは?」

「入れた。持った。付けた。2回磨いた。(あと9回...どんだけ心配性だよ)」


      


    🐤🐥🐣(省略)🐣🐥🐤




「持った。付けた。した。見た。参った。(やっと、終わった...)」

すっかり固まり重くなった腰を上げ、玄関の鍵を開ける。

音に反応したのかリビングで朝の某・教育番組を見ていたことねが、今日も走って見送りに来てくれた。あぁ...癒しだ。



「そんじゃ、行ってきま〜す」

「行ってらっしゃ〜い、気をつけてね〜!」

「おにいちゃん、いってらっしゃ〜い!」

「お〜う!!」



眩しく照れる太陽。

曇りひとつない真っ青な空。

優しいそよ風が、揺れる心をさらに加速させる。




ああ...始まるんだ。

あこがれれ。待ちに待ち焦がれ。超塾された、滝宮功樹たきみやこうき16歳の青春ハッピー・スクールライフが今...!



「待っててね...夢子ちゃ〜ん!!」




後日、近所の主婦達の間でゲームのやり過ぎは危いの話題で持ち切りになった。





❁100を超える伏線の先にある『未来』の物語人生の基盤となる物語ストーリーが今。幕を開ける❁

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