他作品のスピンオフのようですので的外れだったら申し訳ないのですが、精霊たちの美しいけれども停滞と退廃の影の落ちる世界が脳裏に浮かびました。流麗な筆致で、描写力が卓越してます。
筆者様の他作品もそうですが、透明感のある文章が違和感なくファンタジーの世界に引き込んでくれます。短編ながら、せりふや立ち居振る舞いに現れるキャラクターの個性が立っているのも印象的です。どこか心に余白を抱えたような主人公に、どんな変化が訪れるのか、ぜひ読んで見守っていただきたい作品です。