第4話 久遠《くおん》レイ

「ねぇ、君たち❗❗」

 不意に、背後から声を掛けられた。



「えェ……❓」

 その声に振り返ると、ひとりの見知らぬ金髪の美少年が立っていた。



 いや、一瞬、美少女なのかと思うほど可憐で美しい。

 びっくりするくらい綺麗な顔をしている。


 まさに、麗人と呼ぶのが相応ふさわしいジャ○ーズ系の美少年だ。



 ロゴのついた白いTシャツとショートパンツがよく似合っていた。

 き出しの白い太ももが何となく色気をかもし出す。



「キャァ~…😍✨✨💕 カッコいィ」

 一斉に、周囲まわりの女子たちがザワめいて彼に熱い視線を送った。


 

 だが、美少年は脇目も振らず。

「君たち…… 『Go toキャンペーン』で、【龍宮島】へ行くの❓ 」

 少し間隔を空けて、僕の隣りに腰を下ろし訊いた。



 香水でもつけているのか、甘い匂いが僕の鼻孔をくすぐった。



「ああ……✨😌✨ なにしろ童貞割りだと高速ジェットフェリーに乗れるらしいんでねェ……。 

 なァ~、チン太郎ォ~……😆🎶✨」

 アキラは僕に同意を求め肩を組んだ。



「知るかよォ……😒💦 お前が持ってきた話しだろう。

 どうでもいいけど、チン太郎って呼ぶな」

 ムカついた僕は、そっぽを向いた。



「良かったら、そのツアーに僕も混ぜてくれないか」

 微笑みを浮かべ金髪の美少年が頼んできた。



「えェ……😳💦 君を!?」

 驚いて彼の顔を見つめた。



「ああァ~、僕は久遠くおんレイ。宜しく。

 レイッて呼んでくれ✨😉✨」

 拳を握って差しべてきた。



「ゥ、ン……?」

 取り敢えず、グータッチをした。

 女子のように繊細で華奢きゃしゃな手をしている。



「レイ君……?」

 本当に彼は男子なのだろうか。

 マジマジとレイの顔を見つめた。



「いいよ。レイって呼び捨てで、君たちの名前は」



「えェ……、ああ、俺はアキラだ。

 ッでェ、こいつがチン太郎ねぇ❗」

 親指で差して、馬場アキラが僕を紹介した。



「誰がチン太郎だよ。浦島だ。僕の名前は、浦島真太郎❗❗」



「へェ……✨😌🎶✨ じゃ、浦島太郎と何か所縁ゆかりがあるの❓」

 昔から嫌と言うくらい定番の質問だ。


「フフ……😏💦 まさか」苦笑いを浮かべた。



 しかし横からアキラが、しゃしゃり出て代わりに答えた。

「もちろんだよな。チン太郎ンには玉手箱があるもんなァ✨🤭✨」

 肩を組んで微笑んだ。



「ないない。玉手箱なんてあるかァ〜ーー!

 僕の事は真太郎って呼んでくれ❗❗」



「ああ……✨😉✨ 宜しく」

 笑顔を浮かべた。




 これがナゾの美少年 久遠レイとの初対面だった。







 ∠※。.:*:・'°☆∠※。.:*:・'°☆∠※。.:*:・'°☆

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る