第30話、新王国が誕生する

「おお、喜んでくれるのか息子よ!」


「へっ?」


「俺は、ジェシカを嫁にすることにした」


「なんでそうなるの」


「ガンダルカンとミシティーは正式に合併する。

両方の国を立て直すよりも、その方が合理的だろう」


「それはそうだけど」


「国の名もガンダルカン・ミシティー王国とする。

俺とジェシカはガンダルカンに移るから、こっちは任せたぞ」


「まて、結婚は母さんが了解してるのなら俺はいい。

だけど、実質3歳児にそんなもん任せるなよ」


「お前のことはジェシカから聞いたよ。

実際には17歳の知識と経験があるとな。

今回の働きを見ても、十分に領主としてやっていけると見たのだ。

それにモウジュも残そう」


こうして俺は3歳児にしてミシティー領の領主となった……いや、押し付けられた。


翌日、母さんと国王がガンダルカン領に移動する。

マリーは母さん付きで同行するが、ライアは残った。

もちろん俺の婚約者としてだ。

モウジュと大部分の兵士はミシティー領の駐在として残ってもらう。


「ジャスミン王子よ」


「やめてくれよ、これまで通り呼び捨てにしてくれ」


「そうはいかん。

れっきとした次期国王なのだからな」


「な、なんでそうなる」


「おや、国王の一人息子が次期国王ではないというのか」


「ぐっ……」


「まあ、時々はシンジやマリアの姿で遊びに出るのもいいじゃろう。

じゃが、魔法師団から護衛を連れて行くのじゃぞ。

それと、魔法師団はお主の直属じゃ。

好きに使ってやってくれ」


「いや、一人で行かせてくれよ」


「次期国王に対し、そこまで自由にはさせられんよ。

フォッフォッフォッ、まあ観念するんじゃな」


「はあ……、こんな事なら、皇帝なんか助けるんじゃなかった……」


「いや、我が国最強の魔法師が国王になるんじゃ。

わしは楽しくて仕方ないぞ」


「俺には、暗黒の未来しか見えねえよ」


「そんな事はあるまい。

第三の性をもつお主じゃ、人の倍は楽しめるじゃろう」




俺は、魔法師にアルミやチタンの特性を教え、様々な金属を量産し、加工・市場に投下した。

鍋や食器は木製からアルミ製にとってかわり、マヨネーズが市場を席巻した。

次に、俺はゴムの木を探させた。

硫黄と混ぜる事で弾力性のある物質に変化する樹液だ。

これには時間がかかったが、ゴムが普及すると靴が変化し、衣類も変わっていく。

そして車輪を生み出して、自転車を普及させる。


「まあ、領主としてここまでやればいいだろう。

さあ、遊ぶぞ~!」


「王子よ、国王からお呼びがかかってるぞ。

ミシティー領だけ便利にしてどうするとな」


******************

ここまでお読みいただきありがとうございます。

一旦、完結といたします。

また、後日談など追加するかもしれません。

ありがとうございました。

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両性具有の亡国王子は両方の性を満喫する モモん @momongakorokoro3

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