第7話、初めての依頼受注

緊急依頼は西の森に出現したオーク3頭の討伐だった。

討伐証明に依頼元の村にオークの右手を切り取って持参し、確認を受けることと書かれている。

期限は3日以内で、報奨金は金貨3枚。

同じ西の山脈でロックバードの卵採取と、ノコギリソウの採取があったので、一緒にカウンターに持っていく。


「この三つを受けたいんですが」


「同時の受注は三つまでですが、ちょっと無理なんじゃないでしょうか」


「ロックバードの巣は知っていますし、ノコギリソウも多分大丈夫です。

あとはオークさえすんなり見つかれば問題ありません。

村までの地図ってありますか?」


「ギルドマップはお持ちじゃないですよね」


「マップって売ってるんですか?」


「ええ、銀貨2枚になります」


「それでしたら足ります。売ってください」


「はい。町がこの場所になりますから、これが依頼のあった村です。

裏にノコギリソウの絵がありますから見ておいてくださいね」


「ありがとうございます」


そのままギルドを飛び出し、門を出てから林に入って飛び上がり、街道沿いに西を目指す。

西の村まで10分ほどで到着した。


「すみません。村長さんの家はどちらですか」


「あ、あそこの赤い煙突の家だ。

それよりも早く逃げないとオーガが襲ってくるぞ」


村人は走り去りました。


「オークじゃないのかよ」


村長さんの家に行くと、大勢集まっていました。


「あのー、ギルドに依頼されたオークの討伐に来たんですけど」


「何言ってる。今朝になってオーガが目撃された。いつ村にくるか分からんのだぞ」


「それって、追加の依頼で出してもらえます?」


「いくらでも出すから、何とかできるもんならやってくれ」


「じゃあ、ここにオーガ追加と書いてください」


「ほ、本当に何とかできるのか?」


「ええ、大丈夫ですよ」


「じゃが、金貨がないんじゃ、5枚までなら何とかする」


「じゃあ、金貨5枚と書いてください」


来たー!と叫ぶ声がしたので、急いで外に出ると、森の木の向こうに頭が見えた。


オーガに追われてオークが5頭村に駆け込んでくる。


『アイススピアー!』

氷の手槍を5本飛ばし、オークの頭を打ち抜く。


オークの絶命を確認し空に飛びあがる。

探すまでもなく見えているんだから楽勝だ。

近づいてアイスランスで岸刺しにする。


オーガとオークの右手を切り取って村長さんに確認してもらう。

本体があるんだから必要ないと思うかもしれないが、手順は大切だ。


「じゃあ、ここにサインください」


「あ、ああ。

まさか、こんなにあっけなく倒してしまうとは…」

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