第5話 偶然の産物

 ***


 男は夢を見ていた。

 それは、両親と過ごした懐かしい日々だった。


 もし、あのような日々に戻れるのなら、戻りたい…。

 ありきたりな願いではある。

 しかし、そんなことは叶わない。

 もし、回避できていたのなら、男は元の優しい心を取り戻していたのだろうか。


 補佐の二人に起こされ、大司教は目を覚ました。

 夢の中では、輝いていた。なのに、ここは輝いていない。

 むしろ暗いくらいだ。


「大司教様!あの、アルドとか言う若造共に居場所を教えて良かったのですか。奴らがここに来るのは時間の問題ですよ。」


「今のうちに策を講じておかないと…。」


 補佐二人はかなり慌てていた。そんな二人をいさめるように言う。


「慌ててはいけませんよ。きちんと策はあるんですから。」


 大司教は、補佐の一人に顔を向けた。


「貴方は、この”回帰命”に入ってから、あまり素顔を見せないですね。今は、教団内の人間しかここにはいないのですよ。たまには、同じ志を持つ者同士、顔ぐらい見せたらどうですか。」


 そう言うと、補佐はおずおずとフード脱ぎ始めた。

 青色の肌で二本の角を生やしている点は、魔獣とは変わらないが、白い髭を生やし、周りにいる魔獣よりも老齢であった。

 だが、まっすぐに大司教を見る眼は、何ら人間の眼と変わりないくらい美しく澄んでいた。


「やっぱり、貴方ももいい顔をしてますね。」


 今度は、女性の方を向いた。

 人喰い沼にアルド達を導いたあの白い服を着ていた若い女性である。


「貴方もよく私の無理を言って、今までついてきてくれましたね。」


 女性の方は、何も言わなかった。

 まるで、父親が娘に優しく接している姿だ。


「行けるところまで行きますか…。」


 何を思ってそんな言葉出したのか。

 補佐二人には分からなかった。

 もしかすると、大司教はアルド達に負けることを覚悟しているのではないか。

 そんなことを感じながら、大司教の後に続いた。

 

 ***


 アルドとイルルゥは、未来の廃道ルート99辺りを走っていた。

 相変わらず周りの風景は、廃墟だ。


 次元戦艦での移動手段がないため、月影の森から時空の狭間を通り、エルジオン・エアポートへつながる光の柱を通って来たからである。


「つ~か~れ~る~よ~」


 ぶっ通しで走ってきたため、イルルゥは弱音を挙げた。

 ここで休んでる暇はないとアルドは、イルルゥを急かした。


「急がないとイルルゥ!」


「せ~め~て~や~す~ま~せ~て~。」


 ここで休んでる間に”回帰命”は何をしでかすか。 

 それに、こんな所で休んだら合成人間にやられるのがオチだ。


 すると、突然。


「アルド!」ビュン!


 赤色の物体が神速しんそくにアルド達の傍を通り過ぎたかと思うと、急にUターンして、こちらに近づいてきたのだ。

 あれは、前にセティーに見せてもらった赤いバイクではないか。

 高性能ポッドであるマカロンがOSとして操作しているやつだ。

 

 なんか早い!なんか早い!とイルルゥは、はしゃいでいる。

 アルド達の近くに来ると、バイクは速度を落とし、ゆっくりと道路の上に降りた。


「アルド!どうしたんだこんな所で。」


「セティー!」


「あーら、アルド君じゃなーい☆ 一緒に相乗りでもする?」


 赤いバイクの後ろには、セティーによく付き添っているポッド、レトロとクロックがしがみついていた。

 レトロは、今にもバイクから落ちそうな様子だった。


「ふー怖かったよー。」


「ポンコツ。もう少ししっかりしなさい。」


 レトロとクロックのことは、ひとまず置いとくとして、セティーは何をしているのか聞いてみることにした。

 もしかすると、アルド達の力になってくれるかもしれないと思ったからだ。


「今、妙な宗教団体のことで捜査に出ているんだ。COAの捜査官として、司政官から直々に命令が下されたんだ。」


「それって、”回帰命”って名前か?」


「よく知ってるな。極秘の内容だぞ。もしかして、アルド達も追ってるのか?」


「ああ、実はそうなんだ。」


 アルドは、セティーに今まで起きたことを簡潔に伝えた。


「そっちも苦戦してるんだな。FGPDの捜査官も教団について追ってはいるものの、黒幕が捕まらなかったんだ。だが、アルドの説明で足りないピースが埋まってきた。なかなかない話だが、黒幕である大司教が気体のような奴で、パルシファル王朝時代、ミグランス王朝時代、そして今いるこの時代、とあちこち渡り歩いているなら、捕まらないはずだ。」


「ということは、この時代の人たちの信者もいるのか?」


「そうだ。”回帰命”には、エルジオンやニルヴァ等の住民がいたが、そういう人たちは本物のIDを使用していたようだ。まあ、偽装IDを使用しているのも大半いた。」


「偽装IDか…。」


「なぜなのかと感じたが、おそらく現代や古代の人間と魔獣とのために作ったIDだろう。」


「でも、それってすぐにばれるだろ。」


「いや、偽装IDが大半ということから、多分黒幕は司政官以上の奴と手を組んでるとも考えられる。」


「そ、それって…。」


「ああ、そのことについて説明すると時間がかかるため割愛するが、もし、そうなら、すぐに捜査の打ち切りになってしまう可能性もある。今はまだ、司政官から打ち切りの話は来ていないが、それも時間の問題だ。」


「そっちもかなりやばそうだな。」


「さっきまで、エルジオン内部で教団の一部の人間が使用していた端末があったから、クロックにデータ解析をさせて居所をつかんだんだ。教団が都市の中でこのようなれを残したことは妙だが、これがなかったら厳しかったかもしれない。」


「そうか。」


「よし、目的が同じだったら、二人とも乗るんだ!一気に工業廃都市まで行くぞ!」


「わ~い!やった~!」


「でもなんか乗るのきつくないか?」


 イルルゥは喜んではいるが、アルドは躊躇っていた。


 「このバイクで三人乗りはあまりやってはいけないんだが、事は急がないと厄介だからな。マカロン頼むぞ!」


 「では、行くよー、セティーくーん☆」


 「でも、これは罪なことだよー!」

 

 「ポンコツ、黙りなさい。でもそれは、私も半分同意です。」


 罪だけど、しょうがない…のか?

 指摘したいところではあるけれども、今は気にする方が罪だ。


 セティーのおかげで、あっという間に工業都市廃墟に来た。

 電気は通っているようだが、まともな人間は、めったなことがない限りここには寄り付かない。

 いるとしたら、それは合成人間か犯罪組織の人間ぐらいだ。


「クロック、近くの端末から奴らの位置が分かるか?」


「やってみます。」


 クロックが”回帰命”の位置を知るのにそう長く時間は掛からなかった。


「この先にいますね。」


「ありがとう、クロック。しかし、何だか見つけてくれと言ってるようなもんだな。」


「セティーもきな臭いって感じるか?」


「ここまで、足跡残していくのは罠の可能性もあるかもしれない。」


「イルルゥはどう思う?」


「なんかね~。罠とか騙そうっていうより、辛いって気持ちが大きいんだよね~。」


「辛い?」


 とにかく慎重に行こうという流れになり、注意して進むことにした。

 数分後特に何もなかったが、目的地にたどり着いた時、大司教が出迎えた。


「待ってましたよ。」


「そろそろ大人しく、狩られてね~。」


 イルルゥは笑いながらさらっと言った。


「さて、決着をつける前に話をしませんか。」


「あんたの話なんかもう聞かない!」


「まあまあ、アルドさんあなたのことについてもきちんと触れますから。そう怒らないでください。あと、セティーさんやイルルゥさんも後ほどに。」


「あんたとどこかで会ったかな?」


「セティー、こいつの話に耳を傾けては駄目だ。そのせいで、サイラスやロキドは…。」


 思い出したら、また泣きそうになった。

 感傷に浸るのはそれくらいにしましょうねと大司教は、主導権を握った。


「それより人間や魔獣がどのようにして、このような霧のような体になることが出来たのか知りたくありませんか?」


 大司教はアルド達を見ながら歩き始め、巨大なカプセル型の装置の近くで立ち止まり、これに入れたのですよとカプセルを撫でた。


カプセルは、十人位の人間が入れそうなサイズで、何台も置いてあり、少し錆びていた。

表面は白色で、扉の部分が黒色であった。

扉部分には小窓とボタン、頭頂部は銀色のダクトが繋がりカプセルの後方に延びていた。


「そもそも人間や魔獣の肉体と魂、そして自然界における生物、これらの境界線は一体どこにあるのか。貴方たちは、答えることが出来ますか?」


 三人は何も答えない。

 うっかりしてるとこっちがやられる。

神経が張り詰めているのだ。


「本来、万物には境界線などなかったのではないかと考えたのです。あくまでも仮説ですがね。」


 アルド達は、急に何を言い出すのかと思った。


「話が脱線しますが、古代には、火・水・土・風、それぞれに対する四大精霊が存在していました。それからしばらくしますと、四大精霊の姿は見えなくなり、代わりにプリズムという結晶なるものが出てきました。しかし、そこから年月を経ると、大地は汚染で腐食し、人工物としてゼノ・プリズマが作られました。」


 ここまではよろしいですかねと一旦話を中断し、また喋り続けた。

 

「つまり、全生物には火・水・土・風が全て備わっているのです。このことから、私は極限に何らかの作用を起こすとで、全生物を火・水・土・風に完全分離かんぜんぶんりすることが可能なのではないのかと考えたのです。そして、人間や魔獣を、”原型”と”分離した状態”との間に位置するぎりぎりのところに組み直すことが出来れば、外見は同じだが、実際は生体内の成分が渾沌こんとんした体、不安定なようで安定している体になるのです。それは人間でも魔獣でもない別の者になる。私はその方法を見つけたのです。」


「それが、その装置ということか。」


 聞く耳を持たずにいようとしたセティーが

返答した。

黙っていてもこいつの思うがままだと判断したからだ。


「技術としては、すごいが、場合によれば、それは殺人罪になる。要は生身の体をバラバラにして組み直していることに近いんだからな。最終的には、限界が来て自然に還ってしまう、永遠でないことは確定だ。」


「私は何もおかしなことは言ってはいませんよ。」


「何!?」


「”永遠の命”を与えることと死を促すことは同じ意味なのです。」


 また、よく分からないこと言い始めた。


「生きとし生けるものには、必ず終わりがあります。時が経てば、朽ちていくものは当たり前です。それが、生という定義ていぎであるとも言えます。有限であるものを無限に変える、それは命を持たない、すなわち、死でしかないのです。」


 アルド達が来てから、ほんの数分しか経っていない。

 それでも、何時間もここにいるような気分だ。


「私がこのような装置を作った経緯けいいについても話しておきましょうか。どうせ何をやっても、私には勝てませんからね。」


 奴に隙はないのか。どんどあの男のペースに吞まれている。

 時間が刻一刻と進んでいく。このままでは…。


「私は、もともと水の都アクトゥールの住人だったのです。両親と三人家族で、幸せな人生を送る予定でした。ですが、不幸なことに、幼少期に両親をある事故で亡くしてしまいましてね。」


「そうか…。」


「世の中がよく分かっていない子どもですし、身寄りもいません。詐欺師に騙され、家を追い出され、助けてくれるものは誰もいない。結局放浪しながら生きていくことになりました。放浪の最中、偶然にも時空の穴に取り込まれてしまい、私はこの時代のここ工業廃都市に飛ばされたのです。何とかエルジオンまで来たのですが、当然この時代で住民登録もしてないため、最下層の街で過ごすことになりました。」


「それは気の毒だな。」


気づくと、アルドも耳を傾け、大司教と話をしていた。


「それからしばらくして、孤児院に拾われました。そこでは、結構ないじめにあいましてね。ただその時は、復讐することなど微塵もありませんでした。そこで生活していくうちに、むしろこちらで生きていくことの方が、輝かしい人生を築けると感じたのです。」


「なら、どうしてこんな計画を企てたんだ。」


「予想だにしなかったことが起きたのです。」


「私は、ある医療関係の研究所にスカウトされたのです。孤児院の中で特に頭が良かったという理由からでした。アルドさん達が知っているKMS社よりも弱小ではありましたが、不老不死の研究をしていたのです。」


「ふろうふしのけんきゅう?」


「そうですよイルルゥさん。成人するまでしばらくその研究所で不老不死の研究をしていました。そして、この装置を開発したのです。人体実験として、私自らが入り、装置を作動させたところ、このような体になってしまったのです。他の研究員も似たように装置の中に入って、実験しては見たのですが、あのカトイの親父さんが指摘したように一時的なものでしかなく、私よりも先に消えてしまいました。私だけが残ってしまったのですよ。」


 話しながらどんどんにやけ顔になっていく。

 この男の魂胆が読めない。

 次第に饒舌になっていく。


「死んではいるけど、あの世にもいけないこの世で人間らしい生活もできない。そうなると、ある憎悪が私の中に生まれてきたのですよ…。フハハ、なぜ私だけが一人なんだ?最愛の両親を亡くし、貴方たちのような親しい仲間もいない。それなのに、なぜ他の者は皆幸せそうなんだ。ハハハ。」


 辛かった過去への悲しさとは裏腹に悪魔は笑い声を漏らしながらしゃべる。

 明らかにおかしい。



「私の最大の目的は、パルシファル王朝時代、ミグランス王朝時代、今いるこの時代に生息する者どもを生物ならざる者にし、最終的にこの世を死へと導くことなのです。そのために、多くの人間や合成人間とコネを作った。それだけではなく、パルシファル王朝時代やミグランス王朝時代でのうのうと暮らしている奴らにも鉄槌てっついを下そうと考え、時空の穴を自分で出す機械も開発しました。」


「やっぱり、あんたは最低な奴だ!関係ない多くの者を死に至らしめようとして優越感に浸ろうとする!現に今だって…!」


「最低ですか…。それを言うなら、アルドさん、貴方だって同じでしょう。」


「また、訳の分からないことを…。」


「エデンさんのことですよ。」


「な!?」


「やっと貴方に話が移りますねえ、アルドさん。」


 悪魔は、アルドを指差しながら、不適な笑みを浮かべた。

目を大きく見開いたアルドの下半身が恐怖で震えている。


「ご両親とエデンさん、妹のフィーネさんと一緒に時空の穴に入らなければ、家族ともども散り散りにならず、エデンさんが時空の穴に取り残されることも…、あなたが猫から人間になることも…、貴方がエデンさんを殺すこともなかったはずなのです。」


「…。」


 アルドは、何も言わなかった。

いや、何も言えなかったのだ。


「貴方がエデンさんの代わりに時空の穴に取り残されれば、まだいくらか良かったでしょうに、もともとは猫ですからね。自分のせいではないと主張したいでしょうが、あなたにも責任は少なからずある!フィーネさんもエデンさんが生きていたら、どんなに喜んでいたのか。そのことを知っていながら、私に最低だと言うのは、笑止千万しょうしせんばん!」


 アルドは、ただ、黙って下を向いていた。

 悪魔はなおも話し続ける。


「私と貴方は、同類だ。それにもうお分かりでしょう。どんな時代であれ、いろんな種族が争いを起こし和解するような流れを歴史は繰り返している。もう全てを無にすることの方が適切なんですよ。」


 これでこいつも懲りただろう、私の勝ちだと男は確信していた。

 だが、おもむろにアルドは、語り始めた。


「確かに、俺も無になった方がいいのかもな…。人間や魔獣、合成人間をこのまま生かしておくよりは、全てを無に帰すことが、一番手っ取り早い方法なのかもな…。でも、それは明らかに短絡的たんらくてきな考えだ。」


 悪魔は、まだ反論する気かと唇を噛み締めた。


「確かに、俺はエデンを殺したようなもんだ…。でも、自覚がないわけじゃない。いつだって、俺はエデンのことを考えていた。俺は、この重荷を背負っていく!そして、絶対にエデンを救うと決めたんだ!」


「ここまで言っても貴方は、私たちの側に来ようとしないのですか。やはり、対立せざるをえませんか。」


「エルジオンだって一度はなくなったんだ!世界が全て無くなる、あんたのやってることも同じ事なんだ!また似たような道を辿《たど》るわけにはいかないんだ!」


「では、どうぞ攻撃してください。迂闊うかつに手を出せば、また痛い目を見ますよ。」


「ぐっ。」


「その必要はありませんよ。」


 突然、聞いたことのある声がした。

 声の主は、ロゼッタだった。


「アルド!加勢に来たぞ!」


「助太刀いたす。」


アルドは、聞き覚えのある声に耳を疑った。

 ロゼッタに続いて、ロキドとサイラスが駆け込んできたのだ。

致命傷を負った体は、完璧に回復している。


「み、みんな!どうして…。」


驚きよりも無事だったのかという喜びの方が勝っていた。


「訳は後ですよ。今は、ここにいる敵を討たなくてはいけませんからね。」


「人数が三人増えたところで、こちらがが優勢なのは変わりありませんよ。」


「ここの工業都市廃墟に設置してある罠のことですよね?」


「それがどうしました?」


「すべて解除してあるので、作動しませんよ。」


「それは、はったりですか。」


「大司教さんの信者も堪えかねて、私たちに協力したんですよ。」


「ああ、あのリストを盗んだ者のことですか。」


「いえ、リストを持ち出した男ではなく、ミグランス王朝時代やパルシファル王朝時代にいる他の信者たちのことですよ。全員で行動するのは無理があるので、交代で一定の人数を各時代に滞在させているじゃないですか。あの方たちですよ。彼らも少しは、機械の使い方ぐらいは存じてましたからねえ。」


「何?どういうことだ?私の筋書きと異なるではないか。」


「確かに大司教さんは、過去や未来へと自由自在に行くことはできます。誰がどのような行動を起こすか、ある程度ご存じだったはずです。ですがね、歴史を変えることは、私たちにも出来ないわけじゃないんですよ。完全じゃないですけどね。私は、その可能性に少しでも掛けてみたんですよ。」


「大司教さんとアルドさん達が人喰い沼にいると時に、私たちが先回りしてミグランス王朝時代の様子と今いるこの時代の様子を、次元戦艦に乗って見てきたのです。そして、回避するための先手を打ちました。残念なことに、サイラスさんとロキドさんの負傷、カトイのお父様がなくなってしまったことは避けることが出来ませんでしたがね。」


 他人を死なせてしまったことについて自分にも非がある言い分だった。


「予想外なことが起きましたが、こちらが優勢なのは変わりありませんよ。」


 大司教は、時空の穴を出すときのように、片腕を挙げた。

 すると、どこからか霧が現れた。しばらくすると、その霧は、合成人間、魔獣騎士、女魔獣など、各時代で戦ってきた敵へと姿を変えた。


「やっと出番か。待ってたぜ。」


「暴れまくっていいんだな。」


「思う存分に痛め付けていいですよ。アルドさん、この者たちもですね、”永遠の命”を授かった者たちなんですよ。貴方達の微小な攻撃では、倒せませんよ。」


 一筋縄ではいかなかった。

 カトイの父親が言っていたように、向こうが霧になるほどの致命傷、言い方を変えれば、アルド達の攻撃よりも強いスキルを何回も出せば、奴らを倒せるかもしれない。

 だが、向こうがやられる前に、こちらの体力がもたなくなってしまう場合もゼロではない。

 現状、アルド達の力では、奴らを倒すことは不可能に近い。

 どうすれば、奴等に勝てるのか?


 

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