幕間『アヤの特別講座①』

 みなさんはじめまして。アヤこと弥生です。この前、岳流が[自伝を作る]などと言い出した時は

(これは随分イタい事するな)

 なんて思ったものですが、まあ読んでみたら悪くはなかったけど説明がイマイチだったので、定期的に私が特別講座と題して岳流の(彼が知っているのかも怪しい)脳戦士に関する説明をつづっていこうと思います。まあ、これから先こんな事をしなくてもいいくらい岳流が頑張ってくれればいいのだけど...。

 指摘したいところがいくつもあって迷ってしまうけど、まずは『セイ』からいきましょうか。


 今は岳流の所有脳獣のセイは実は元々由祈さんのものでした。他にも由祈さんは所有脳獣がいたのだけど、それはそのうち岳流が書いてくれるでしょう。そしてその内の一体がセイ。海馬の脳獣にして、最強のレベル十。最高位列『神型』に属する脳獣。それを由祈さんは自分が死んだ時に岳流に受け渡すように神と脳皇に届け出を出していました。まあ、遺産相続のようなものです。それによってセイは岳流に、その他の脳獣たちはフリーになりました。由祈さんはセイが岳流の戦力になればいい。セイによって負ける戦も勝てればいい。と思っていたのでしょうね。


 次は、そもそも説明が足りていなかった『所有脳獣』について話しましょう。

 所有脳獣とは、誰とも契約していない(野良)脳獣が脳戦士が持っている『所有の書』(もう少し工夫できなかったのかと思わざるを得ないネーミングセンスだけど...)にサインすると所有脳獣として認められます。一度に所有できる脳獣の数は決まっています。でも、トップ20は決まっていなくて、何体でも持てます。たしか、この時のNo.7は沢山の所有脳獣を従えて戦っていました。


 お次は、岳流がサラッと触れるだけで終わりにした脳戦士の専門用語の復習でもしましょうか。


 脳戦士のうせんしはみなさんご存知の通り、私たちのことです。(自分で言うのもお恥ずかしいのですが)頭脳に長けた人たちの集まりであって、世界中で五千人くらいいます。特に教育環境の整った先進国に多くいて、発展途上国の脳戦士減少による脳獣の無法地帯化が問題となっている地域もあります。基本的にボランティア、お金は貰えませんが脳内通貨ブレイナは貰えます。(ちなみに1ブレイナ=1円)脳戦士とは人間の想像力から生まれた脳獣のうち悪い脳獣(殺人、殺脳獣、及びそれらの未遂)を倒し、脳獣による人間の脳死者数を減らすために活動しています。脳戦士になるためには

 記憶力、想像力、空間把握能力、

 理解力、知識量、脳力

 の基準を満たしている事が必須条件です。S〜Dで基準付けられています。第1話で岳流が(生憎、......S判定だよ)などと説明もなく言っていましたがそういうことです(笑)。んっんー。では気を取り直して。六つの観点のうち、一つ以上がS、それ以外はA判定で、夢に神が現れます。(だからSが二個あっても問題なし。ただし一つでもB以下があるとダメ)そこで勧誘を受けるのですが、断った場合は記憶を消されて何も知らない生活を送ることになります。(ちなみに、何故上記のような条件が必要なのか神に聞いてみたところ、[それを満たしていないと、あまりの情報量の多さに、脳が焼け焦げる]などと少し危ない事を言っていました)でも、大丈夫ですよ、安心してくださいね。(物好きにも)これを読んでいるみなさんは文章を通じてなのでセーフです。(目の前にいる神から、この世のオカルト関連の真実を教わるのは言葉に言い表せないほどにすごいですよ)


 脳獣のうじゅうは人間が想像力で生み出した生命体です。(一日に何体も生み出されている上に、寿命がないため増え続けている)脳獣は生まれる時の目的を果たそうと行動するため、体を求めて人間の脳をのっとる事がある、そのため脳戦士によって倒されているが脳戦士とともに脳獣討伐をする脳獣もいて、それらアヤカ達を所有脳獣と呼びます。


 脳魔人のうまじんは既に脳獣に乗っ取られた人間のことです。脳獣が人の体をのっとるときに相手の『意識』を破壊する必要があるため、見た目は同じ人でも意識はなく、中身は脳獣なので退治する必要があります。しかし、乗っ取られた人はもう脳死した状態なので、助かることはもうないのが、悲しいところです。


 脳獣人のうじゅうびとは脳獣に乗っ取られそうになって奇跡的に脳獣を倒し、その脳獣と契約した脳戦士以外の人のことです。(極めて稀だけど、たまに発生するんです)これがまた厄介で、脳獣の意識はないので退治する必要はないのですが、脳獣の脳力は乱用すると危険なものもあるため、倒した脳獣の脳力を使わないうちに脳獣人から脳力を抜き取るのも脳戦士の仕事なんですよ。


 ところで気になっていた人もいるかもしれませんが、最後は『意識』について。

 意識は、脳内世界に在るための『アバター』のようなものです。アバターで戦い、アバターで買い物して、アバターでご飯を食べて、アバターが死んだら生身の人間も死ぬ。そう言う理屈です。

 また、世間では『幽体離脱』と呼ばれているのは『意識』が体から抜け出す現象のことです。ある程度『意識』の扱いが上手くなった脳戦士は自由に『幽体離脱』できるようになり、寝た状態で意識を通じて空から周りを見渡すこともできるのですよ。

 ちなみに脳戦士以外の皆さんも意識アバターを持っています。夢の体。あれが意識です。つねっても痛くない体。あれが意識です。

 まあ脳戦士の専門用語に関しては実際に使用したり対面してみないと何が何だかといった感じですが、文章で説明するならこんな感じです。


 最後に、『脳獣と脳内世界の仕組み』について。

 脳獣は特殊な脳力が無ければ見ることはおろか認識することすらできません。ですので、『対脳獣聴覚』を持たない私はアヤカやイツキの声を知りませんし、『対脳獣視覚』を持たない岳流は彼らの顔を知らないことになります。ですが、私たちは彼らの声も顔も知っています。『脳内世界』でなら見ることも話すこともできるからです。

 あくまで『対脳獣』系の脳力は『現実世界』でのみ有効なのです。

 そのように、『現実世界』と『脳内世界』で異なる点がいくつか存在します。

 例えば、『現実世界』では、脳獣は宙に浮かんでいます。理由は、地面や壁などの、『物質として存在する物』に、彼らは触れないからです。ですが、『対脳獣触覚』を持つ人相手なら触れることができます。他には、『想像創造』でつくった『想像物』や、『意識』だけの状態になった人には触れることができます。『想像物』や『意識』は、脳獣達と同じ『物質として存在しない物』だからです。

 話が飛びましたが、逆に『脳内世界』では、脳獣は地面を歩いています。逆に、脳内世界では多くの脳獣が飛べません。飛べるのは、飛行系の脳力を持っている脳獣か、羽の生えた脳獣くらいです。

 また地面同様、人に触れることができます。これは、脳内世界で過ごすために『意識』を体として使っていることが理由です。



 これからあらゆる場面で登場する『脳内世界』そこは『千の塔』だけでなく、果てなく広がる不思議な世界です。他にどんな場所があるかはまだ秘密です。

 まだまだ謎だらけの脳にまつわる世界の秘密。これから先の話を読んでいけばそれらは解明されるかもしれません。


 きっとまだ見ぬ発見が、あなたを待っています!


 と言っておけば気になった人が読み続けてくれるはず!読者が増えれば岳流、喜んでくれるかな...と思う私の心を察してください。


 読みにくいこの『脳戦記』を分かりやすく読むためのオマケ。

「」の中は台詞。

『』の中は固有名詞や用語。

()の中は改行して使われていれば心の声。改行されていなければ補足説明。

[]の中は過去の発言や引用。

(}と{)は後に出てきますがメールのやりとり。

*****に挟まれている内容は回想。


 岳流ド素人が書いたこの話を私はもっと面白いものにしたいのです。そのために、このような形でありますが、協力させて頂きます。それではどうか、岳流のイタい自伝にお付き合いください。

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