10話②編

ミュー「安定のシュテファン。ワタシの癒やし」

アディ「お前、本当にシュテファン好きだな」

ミュー「文句も言わずに美味しいご飯を作ってくれるシュテファンだぞ?好きにならないわけがない。それに、いつだって優しくて癒し枠。可愛い」

アディ「実年齢はそこそこだけどな」

ミュー「エルフだし」



ミュー「ワタシの適当なセリフに、料理番一同目を光らせるの止めて欲しい。怖い」

アディ「…………お前、厨房でもうっかり発言を連発してたのか」

ミュー「うっかり発言って言うな!」

アディ「うっかりだろうが」

ミュー「まさかそこにあるのに知らないとか思わなかったの!」



アディ「というかお前、食い物に関しては知識が仕事をするな」

ミュー「言い方」

アディ「食い意地が張ってるからか……」

ミュー「確かにワタシは美味しいものが大好きだけど、アンタにだけは言われたくない」

アディ「何故だ?」

ミュー「ワタシが食べてたら横取りするだろうがぁあああ!」



ミュー「マトモに女性扱いをされることが少なかったので、とても感動した」

アディ「女性扱い……」

ミュー「止めろ。そんな目でワタシを見るな」

アディ「子供扱いの方が妥当じゃないか?」

ミュー「言うに事欠いてそれか、貴様ぁあああ!」

アディ「叫ぶな、煩い」

ミュー「叫ばせてるのはお前だ!



ミュー「魔法で火を点けられるのって便利で良いよね……。ワタシも魔法、使いたかった……」

アディ「別に使えなくても良いだろ。魔法が使えない者も多いぞ」

ミュー「だってー、魔力の保有量だけはピカイチとか言われてるのに使えないとか、悲しいじゃん」

アディ「お前らしいな」

ミュー「あ゛?」



アディ「それにしても、随分と優しい祖父殿だな」

ミュー「まぁねー。火を点ければ良いんだって火種に触ろうとしたら、超怒られた。火傷するだろって」

アディ「まぁ、お前は特にな」

ミュー「……どういう意味かな?」

アディ「うっかり怪我をしそうなところが」

ミュー「その喧嘩買うぞ、くらぁ!」



アディ「この焼き芋を選んでいるときのお前なんだがな」

ミュー「何さ」

アディ「この手のポンコツな顔の方が本体で良いんじゃないか?」

ミュー「ど・う・い・う・意・味・だ?」

アディ「言葉のままの意味だが?実にお前らしい」

ミュー「デフォルメ糸目が本体っぽいとか言うな!」



ミュー「ちゃんと人数分持ってきたワタシ、偉いでしょ」

アディ「押しつけられてユリウスが困惑してたがな」

ミュー「アディもユリウスさんも仕事しすぎなんだよ。休憩はちゃんと取るべき」

アディ「倒れるようなヘマはせんぞ」

ミュー「誰がお前の化け物体力の心配をしたか」



ミュー「相変わらず、一口が大きいよね、アンタ」

アディ「俺に言わせれば、お前の一口が小さいだけだが」

ミュー「小さくないわい。普通じゃい」

アディ「まぁ、食い意地は張ってるが」

ミュー「一口の大きさと食い意地のどこに繋がりがあるんだよ!」

アディ「小さい割りに食うなぁと思っただけだ」



ミュー「言っておくけど、ワタシ、標準体型だからね?そんなに小さくもないからね?アンタたちが大きすぎるだけだからね?」

アディ「……そうなのか。お前の故郷は小柄な人種が多いんだな」

ミュー「そうだけど、そうじゃねぇええええ!この②メートル越え男がぁあああああ!」



ミュー「仕事を休めと訴えるワタシを無視するアディ、ヒドイ」

アディ「仕事して何が悪い」

ミュー「近衛兵ズはちゃんと仲良く焼き芋食べてたのに!」

アディ「あいつらは適度に休憩してるぞ」

ミュー「アンタも休憩するんだよ!」

アディ「ちゃんと睡眠は取ってるぞ?」

ミュー「黙れ3時間睡眠男!」




アディ「で、次は何の話だった?」

ミュー「衣装が出来上がるターンです」

アディ「あぁ、なるほど。それでその顔か」

ミュー「うぐぐ……。男装を褒めそやされる謎のターン!」

アディ「似合ってたぞ」

ミュー「別に嬉しくないかな!?」


以下、口論が続くので割愛!

(終)


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る