次はダメかもしれないという臨場感

人、一人分の命っていくらですか?
短い物語のなかに閉じ込められた、奥深いテーマだと思いました。

主人公の妹ちゃんは、不死身のお兄ちゃんを仕事で殺す度に、お兄ちゃんは次は生き返らないかもしれないという恐怖を抱えていきます。
今の仕事は大丈夫。
でも次の仕事は?
仕事じゃなくたって、事故や本当の事件に巻き込まれることだってある。
予期しないお兄ちゃんの死に、妹ちゃんの内心が淡々と綴られていくのが感情と理性が乖離しているようでいて、まさしく仕事と私事の間で揺れているようにも感じられました。