第5話

義母バイ子、二人目の男児を出産!

その一報を聞いたとき、俺の精神状態は野●村●太郎議員のMADのようになってしまった。



誰がデー!ダデニ相続しても!オンナジヤオンナジヤオモテー! ンァッ↑ハッハッハッハーwwwwwwア゛ン!! このニこの家のンンンッハアアアアアアアアア↑↑↑アァン!!!!!!アゥッアゥオゥウア゛アアアアアアアアアアアアアーーー!!!アウアウ!コノキゾクァゥァゥ…… ア゛ー!世の中を…ウッ…ガエダイ!

嫡出子問題はぁ…グズッ… 我が家のみンドゥッハッハッハッハッハアアアアァァ↑ 我が家のみンゥッハー↑

我が家のみならずぅー! メシヤ…貴族全体の問題やないですかぁ…

命がけでッヘッヘエエェエェエエイ↑↑↑↑ア゛ァアン!!! アダダニハワカラナイデショウネエ…



落ち着け……。

落ち着くんだ……。

クールになるんだ、俺。

Be Cool !!


まだ嫡男は俺のままだ。

錯乱をして、精神に異常をきたしている場合ではない。


これから、バイ子は俺の精神に揺さぶりをかけて、自ら廃嫡を申し出ざえるをえないよう手を打ってくるはずだ。

もしくは、俺の軽挙妄動を理由として、廃嫡するよう父に判断を促すか。

俺の自制心が肝になってくるだろう。


暗殺……はいまのところないな……。

俺を暗殺した場合、バイ子やスネリオの風評が悪くなってしまう。


正直、俺の手持ちのなかでバイ子に対抗できるカードは、『嫡男』だけだろう。

これをスネリオに奪われるには、まだ時間がかかると俺は考えている。


なんせ、あいつはまだ一歳だ。

衛生学や医学が発展していない世界だからか、この世界においては幼児の死亡率が半端ない。

もう少し成長してからでないと、父も安心できない。


この安心タイムがどれだけあるかは不明だが、この時間が延びれば延びるほどバイ子は嫌がることだろう。

勝ち確までの時間が延びるわけだからな。


俺が廃嫡されるまでの時間を延ばして、バイ子に不愉快な思いをさせる。

それが、せめてもの俺の抵抗だ。


それに、いずれ『嫡男』カードが奪われるのも確実だとしても、俺はまだ六歳だ。

もし、このカードを奪われてしまえば、俺は成人までの期間をずっと弄られるだけで終わってしまう可能性もある。

それどころか、一生幽閉されてしまうかもしれない……。


バイ子にバレないようカードを増やして、駆け引きができるようにしておく必要がある。

そのために、何をどうやって俺の手持ちのカードを増やすかだが……。




そんなこんなで思索にふけっていると、メシの時間になった。


リアル冷や飯を出されるとはいえ、この時間だけが一日の楽しみだ。

この世界には、ゲームもスマホもインターネットもないからな……。


リアル冷や飯とはいえ、貴族だけあり、それなりに食事も豪勢。

そう思いながら俺が食卓につこうとすると、バイ子が言い放った。


「メシヤさん。貴方は、明日から使用人と食事をとるようにしなさい」

「はぁっ?」

俺は、思わず素で聞き返してしまっていた。


翌日から、俺の冷や飯タイムは、メシマズタイムにジョブチェンジをしたのだった。

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