どこでもドア

健さん

第1話

俺の名は、一寸木哲也。今年で30歳になる。ネット検索していたら、”もう不用になったので、どこでもドア10万円でお譲り致します。” 俺は、早速返信して、購入申し込みをした。指定された振込先に入金を済ませた。約1週間で”どこでもドア”が届いた。説明書を見ると、数字のついたボタンが、ドアの取っ手の上部についてあり、行きたい年代に合わせると、その年代に行けるらしい。今は、2070年である。俺は、50年前の2020年に合わせた。俺がまだ生まれてない未知の世界だ。ドアを開けると、ここは??渋谷のスクランブル交差点ではないか。人も車も凄いな。50年前の車は道路を走ってたのか?”現代”は、車は、空を飛んでいるが、、、。しかし、人が多すぎる。50年後は、人口が、減少したと、いうことか。今の渋谷のスクランブル交差点は、こんなに人はいないし、車もない。この大きな車はなんだろう?ひょっとして乗り合いバス?また、よく見ると、歩いている人達みんなマスクしているではないか。猫も杓子も。どうゆうこと?ひょっとして、ファッション?してないの俺だけじゃん。それとも風邪でも流行ってるのか?ガラス超しに食堂らしきところを見て見ると、皆、マスクしながら食事してるじゃん。観察してると、食べるとき、マスクをはずし、口の中に食べ物が入ったとたん、マスクをつけて、咀嚼する。飲み物も同じだ。皆、同じ一連の動作である。めんどくせえ食べ方だなあ。おいしいのかな?しかし、一体どうして、みんなマスクしてるのか歩いてる人に聞いてみた。「すみません。ちょっと、お聞きしますが、どうして、みなさん、マスクをしているのですか?」すると、50代くらいのサラリーマン風の男が、めんどくさそうに言った。「あんた、頭おかしいのか?新型ウイルス感染予防に決まってるじゃねえか。あんた、マスクしてないけど、ウイルスに感染しちゃうよ。」「新型ウイルス??何じゃそれ?そうか、そのウイルスが、蔓延してるのか?」そういえば、腹が、減ったな。俺は中華食堂に入った。店の中は、客は、まばらだ。俺は、空いてる席に座りメニューを見た。テレビでは、ニュースをやっていて、”今日の感染者は、東京で、520人。全国で、3000人”と、言っている。そんなに感染者がいるのか?すると、店員のおばちゃんが、注文を聞きにきた。「何にします?」「ラーメンとギョウザください。」すると、おばちゃんが、「あなたマスクしてないの?」「あっ、さっき、風に飛ばされちゃって。」と、うそぶく。「マスクしてないと、外、歩いていると、お巡りさんに見つかったら、捕まっちゃうよ。」「え~!ほんとですか?」注文したラーメンとギョウザさっさと食べて帰ろう。」俺は急いで食べ終えて会計を済ませた。すると、そのおばちゃんが、「ちょっと、お兄さん、うちは使わないから、政府からもらったマスクがあるから、これ、持っていきな。」と、紙袋の中に入れてくれた。「あっ、ありがとうございます。」俺は急いで店を出てどこでもドアで、現代に戻った。”いや~、えらい年代に行っちゃったな~。”何か、変なもの見たからかな?左目に”ものもらい”できちゃったよ。おばちゃんからもらった紙袋あけて、マスクを、手に取った。何かかいてあるぞ?”アベのマスク”変わったネーミングだな。しかも、極端に小さいのお。これマスクなの?あっこれちょうどいいや。このアベのマスク眼帯用に左目につけた。

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どこでもドア 健さん @87s321n

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