しれっと参加

「あれ、そういえば姫様」


 王女が相手方へ送る書簡を兄に手渡すと、ロスが書簡の体裁を見て口を挟んだ。羊皮紙を巻くために使われているのは紅葉色の組紐。書簡にこの紐をつけるのは、シレア国女王ないしは王女にしか認められていない。つまり王女からの書簡である、という証なのだ。


「殿下と連名だとしたらもう一つ組紐合わせないと」


 カエルムの組紐は蘇芳色。連名で出すなら二人の紐を編んで一つにし、書を留める。


「ああ、いいのよ」

「今回は妹からだから」


 同時に言われて、ロスは首を僅かに傾げて疑問を表した。それを受け、王女が説明する。


「今回の催し物はね、シレアの代表はお兄様ではなく、私が務めることになったのよ」

「遅ればせての参加であるのと、幸いなことにシレア自体はもうかなり知られるところになっているから、どこまで新たにシレアへの観光客が増えるかは分からないがな」


 ***


 おはようございます。仕事前に急ぎで書いてます。急いでるのに前半を意地でも書いてます。なぜここで本編にない設定を盛り込んでるんだ自分(組紐の話)。


 それはいいとして(いいのか)、『天空の標』の妹編をカクヨムコン6に参加させました。『時の迷い路』です。https://kakuyomu.jp/works/1177354054889868322


 妹編、と言いますが、実はこっちが最初。元々は「時」が単体として誕生し、それから「天空」が誕生したわけです。ですから姉妹作と言いながら、「時」の方が「天空」以上に一つの作品として完結しているわけでした。


 こちらは新作でもなければ、もう「天空」を読んでくださった方の多くに遊びに来ていただき、ありがたくもお星様やレビューをいただいていますので、カクヨムコン6に旧作で出すのは本当に見込みなしかもしれません。読者選考までの星の数で競うというシステム上は圧倒的に不利ですからね。


 でも、私としてはこの作品は何度だってチャレンジしたい。読者様から見れば大したことないよ、と言われちゃうかもしれません。私もよくなるならこの後、これ以上に改稿したい。

 でも今は新しく改稿の時間は厳しい。しかしチャレンジできる機会があるなら貪欲にチャレンジしたい。

 ならば、現在「面白い」と言っていただいたのを勇気に放り込みました。


 妹王女、頑張って。


 紅葉の美しいシレアに。時の不思議に挑みました。

 読んでいただけたら、嬉しいです。テハイザにいらした皆様も、そうでない方も、ぜひ、シレアへ。


 今回のコンテストが無理でも、そうしたらまた新たな要素を加えて装い新たに書き直すつもりで、まずは冬の戦場いくさばへ参戦します。

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