第2話 迎合のプログラム

皆さん今日はどんな日でしょうか

仕事で忙しい方もいれば、今日は休みでゴロゴロしている人もいるでしょう

僕は後者の予定でしたが何故だか拉致されていてそれどころでは

ありません


「おい人間ダウトだ」


場に緊張が張り詰める中、先ほど出したカードを裏返す


「あはは、日葵ひまりまたカード増えちゃったね!」


「うるせえ!次は当てる!」


「日葵はダウトしすぎなんだよ、もっと慎重になればいいのに」


「私の感がここはダウトだって言ってるんだよ!」


「人間さんジュース無くなっちゃってるね、何飲む?

お菓子もいっぱいあるからね!」


「えっと、ありがとうございます」


しかしめちゃくちゃ待遇がいいのだ、田舎のおじいちゃんおばあちゃんレベルで


「しかし、知沙って野郎全く私たちとの話し合い全部無視って失礼すぎるだろ」


「仕方ないよ、今のこの状態だと互いに警戒してるのが普通だもん」


どうやら僕は知沙と会話するための人質として連れてこられたらしい


朝目が覚めて見知らぬところに居た事にはとても驚いたが

今日は休日だし、きちんとリビングに遊びに行ってくると

書置きしてくれたようで、どっかのコスプレイヤーよりめちゃくちゃ気遣い

してくれる


「しっかし遅いな知沙の奴、もう一時間近く過ぎてるぞ?

おい人間どうゆう事だよ?」


「普通に見捨てるつもりじゃないですか?あいつ俺のことめちゃくちゃ嫌ってるし」


「おいおい、じゃあなんで知沙をこっちの世界でサポートしようと思ったんだよ」


「それがですねえ…」


これまでの流れを軽く説明した


「そうだったか…つーかお前が宵の世界に来ちまったのは理由は聞いてる限り

誰かが意図的にやったのかもな」


「意図的にですか?」


「そう、やっぱりおかしいんだよ、今度その知沙の爺さんにもうちょっと

探ってもらいな神様関係で、獣の方はそんなやり方しないしな」


元々おかしいと思っていたがもうちょっと慎重になるべきかもしれない

なし崩し的にここまで来てしまったが不可解なところが多すぎる


「分かりました…なんか親切にしてもらってありがとうございます」


「別に暇だっただけだよ!」


「素直じゃないなね、でも日葵はでもそんな日葵ちゃんも私は好きなのです!」


「仲いいね」


「300年の付き合いですから」


「さ、300年!?」


「それでも若い方なんですよ私達、基本的にみんな何千年は普通に生きますしね」


となると知沙はいったい何才なんだろうか、想像するのはやめておこう


「もう訳が分からなないな~」


まあでも怖い感じだけど実は優しいギャップ系女子と

説明不要のロリ系女子といられるのは案外と悪くない


「いったん休憩だ、勝てる未来が見えん」


日葵が手持ちを机に置き思いっきり寝そべる


「朝からずっとやってたから疲れちゃったね」


みんな一斉に気を抜いたその瞬間に事件は起こる


バゴオオオオォォン!


突如として壁の一部が何者かによって爆発された


「なんでええええ!」


思わず叫び声が出てしまう


「グレネードを投げる!」


野太い野郎の声が聞こえたかと思ったら何か飛んできた

その瞬間、味わったことのないような光量と音量が感覚を襲う


とっさに目をかばうが間に合わない


そしてどうにか感覚を確保しようとして見えたのはラぺリングしてくる

佐藤の姿だった


「おい和也だいじょうぶか!?」


「死ねええええええええぇぇぇ!」


「がはっつ!」


何となく事の顛末を察し佐藤にドロップキックをくらわせる


「何をするんだ!電話で気をそらしてからやった方がお前好みだったか!?でも急にアドリブ入れるな、台本どうり大人しくしろ!」


「ようゆう問題じゃない!やりすぎだって話だよ!

全部ただの話し合いで終わる予定だったのに…台本?」


「佐藤君ありがとう助かったわ、後はこっちでやっておくから心配しないで

いい演技だったわ、映画が完成したらぜひ見に来てちょうだい」


「おう、楽しみにしてる、じゃあな和也」


そのまま佐藤は立ち去って行った


「それじゃあ話し合いをしましょうか」


「「できるわけあるか!」」


満場一致でその問いには否決であった


「ただ話し合いをしようとしてただけだ、知沙やりすぎだ!」


「そうだぞ、あんたらの方にはこんな頭のおかしいやつしかいないのか!?」


「警戒はしてしかるべきじゃない?ましてや人質を取られたんですもの」


「いやでもめちゃくちゃ待遇よかったよ?てか何ならこっちに寝返ってもいいかもしれないぐらいに!」


少なくとも今いる陣営よりは福利厚生がしっかりしてそうである


「確かにやりすぎだったみたいね、私の方にも非があるわ、修理代はこちらが持ちます」


「それは当たり前だ!」


怒りの形相で日葵が目の前のの机を叩く、普段から怖そうなのにバフがかかって

2倍くらい怖い


俺だって自分の家こんなにされたらこれくらいキレるわ


「てかうちのロリに至ってはもはや気絶してるしな!」


見てみると目を回しながら倒れこんでいる


「それについては申し訳ないと思っているのけれど人質まで取っていったい何を話したかったのよ?」


「じゃあ本題に入ろう、今回の話は獣全体の総意じゃねぇ、あくまで穏健派の話として聞いてもらいたいんだが、今回お前たちの持ち帰る情報に私達も入れろって話だ」


「なにが狙い?」


知沙の顔が少し鋭くなる


「最近お前人間世界の学校に通って情報を集めてるそうじゃねえか、そこに私達も加わって一緒に学生するんだよ、それが広がれば神と獣がもっと交流しやすくなるんじゃないかって話だ、争ってたのはもうだいぶ昔の連中達だけだからな」


「分かりました、とりあえずおじいさまに話は通しておきます」


「おう、よろしく頼んだぜ」


「で、ひと段落したとこでこれどうしてくれるんだい?地主神の一人娘さん?」


周りを見渡すと、見事に壁が吹き抜けになってしまっている


「おい知沙どっかホテルでも詫びに取れよめっちゃいい所でな」


流石にやり方悪かったかもしれないが知沙のやり方に問題があったのも

事実だろう、俺ならお返しにあの祠にRPGを打ち込みかねない


「仕方ないわね、お金はどうせ上からの経費で落とすし」


「お前ろくな性格してねえな」


「ホントですよね」


これに至ってはみんな同じ意見を持つだろう


「諸々の手配をしたいから明日までは自分で何とかして」


「おいおい、こんないつ崩れるかわからない家に明日までいろってか?」


「仕方ないわね、和也泊めてあげなさい」


「なんで俺が!?」


「私の方に止めると色いろ面倒なのよ」


「私達はそれでいいぜ、こいつの家以外に広かったし

こいつ面白いしな」


「ちょっと、いきなりすぎだって!」


いきなりでステーキ食べれる所よりいきなりである


「でもだからってここで二人を寝かせるわけにもいかないでしょ」


「それはそうだけど」


「迷惑は掛けねえからよ」


確かに一緒に過ごしていて不快に思うようなことは無かったが


「まあお礼と言っちゃなんだけどよ、私がデートしてやってもいいぜ」


その瞬間手は反射的にケータイを取り出し家に電話を掛ける


「もしもし、親戚の友達で家が崩れちゃって…

そうなんだよだから家に泊めてあげても…あオッケー了解」


「オッケーだそうです」


「えっと、もしかして私とのデート狙いか?」


「当たり前じゃないですか」


こんな見た目は確かに少し強面ではあるが、十分に美人として通用するだろう

厳しい口調とは裏腹にその中にある優しさが余計にも

ギャップになって癖になってしまうのだ

このチャンスを逃しては男としてはいただけないだろう


「可愛い…?私が?」


きょとんとして、自分に指をさす


「もちろんですけど?」


「そ、そうか!当然だな!私はかわいいもんな!」


少し熱いのか、パタパタと顔を仰ぎ始める


「とか言いつつ言われたことなかったから、内心すごい喜んでるんだよ

日葵ちゃんは!」


見ると気絶状態だったロリちゃんが復活したようだ


「うるせえロリ、そんなわけねえだろ!」


掴みかかって思いっきり体を揺さぶり始める


「うわわわわ!ちょっとストップ!」


「茶番ね、帰ってるわ」


「おい待て、お前もこの人止めるの手伝え!」


そこからは騒がしさからかあっと言う間に時間が流れた

家に来てからも日葵さんとロリちゃんは生きてる時間の差なのか

元々の性格からなのか、うちの家族にすぐに気に入られもはや

元々の彼女たちの実家はここなんじゃないかとゆうレベルに達していた


「散々な日だったなぁ」


一人ベットの中で寝っ転がりながら呟いた

知沙と出会ってからというもの身の回りではろくな事が起きていない

彼女は疫病神の類ではないだろうか

そんな事をダラダラと考えていると不意にドアがノックされた


「おい、今大丈夫か?」


声から察するに日葵さんだろうか、しかしこんな時間帯にいったいなんだろうか


「大丈夫ですよ」


ドアがゆっくりと開く

月明かりに照らされて薄っすらと日葵さんのシルエットが見える

服装はイメージ通りとゆうか、ダボダボのTシャツに短パンで

彼女の性格ピッタリといったところだろうか


「電気つけましょうか?」


体を起こし立とうとしたところで止められる


「すぐ終わるだ、このままでいい」


「分かりました」


腰をベットのに載せ足を床に付けるとゆっくりと日葵さんのが近づいて来て前に座った


「お前家なかなかいいな」


「そうですかね?ごく一般的な家の作りだと思いますが」


多少家は広いが別に作りが豪華でもないし、特別な施設があるわけでもない


「お前の家族の話だよ、楽しそうだし優しいな

私達にいつまででもいていいって言ってくれたし」


「そう言ってもらえると嬉しいです」


「特にお前の妹とか本当にお前と血がつながってるのかってくらいよくできてるよな」


「良ければ帰りにでも持ってって下さい」


「家にはあいにくロリがいるからそれはまたの機会だな、

あとよ、知沙とは少し気を付けて話すようにしろ」


「えっと、どこに地雷があるか分からないみたいな?」


「それもだけどよ、こっちの世界に私たちが送られて来る時にな少し

あいつの過去の事を知っちまってな」


「それってどんな?」


「ここまで言ってなんだけどよ、そればっかりは私の口からは言えねえ」


「そうですか」


でも確かに考えてみれば少し考え方とゆうか、態度がおかしい時があった

今日の爆発だって少々やりすぎな気がするし、彩音や佐藤に対する時の

態度も何だかずれている気がする、ただの猫被りかまだ距離感が掴めていないだけかもしれないが


「話はそんだけだ邪魔したな」


立ち上がりその場を後にしようとする彼女に声をかける


「日葵さん、僕たちの事まで気にしてもらってありがとうございます」


「なに、あんたらに問題があるとこっちにも迷惑がかかるから言っといた

だけだよ勘違いすんな」


そのまま閉じられようとする扉から滑り込むように声が聞こえた


「デートの時までには、さんと変な敬語はを外しとけよ」

























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