絶妙なレベルデザイン

 Visageは探索がメインとなるゲームだが、その探索は非常に難しいものであった。早期アクセス時代、探索に関するヒントは一切存在せず、一つ一つの棚を探索する事になっていた。


 しかし、これでは恐怖は薄れてしまう。そこでなのか、公式は製品版になった時にある要素を追加したのだ。


 それは、6回限りのヒント機能。これはとある部屋を見つける事で解放される。そして、その部屋はストーリー上必ず見つけなくてはならない部屋なのだ。


 つまり、ストーリーの一部に“ヒント”という機能を組み込ませたのだ。


 ただ、ヒントは与えすぎると恐怖を薄めてしまう要因になる。その絶妙なレベルデザインをVisageは完璧にこなしたのだ。


 Visageは全4章のストーリーとなっている。対して、ヒントを使える回数は6回。1章1回ずつ使ったとしても2回分は余るという計算だ。


 Visageはこのヒント機能で誰でもクリア出来るようになったが、余分に使える回数は2回。2回なんて無駄遣いすれば一瞬で消え、節約すればさらに余分に使える。


 この「確実にクリア出来るけれど、一歩間違えると後に引けなくなる」という絶妙なレベルデザイン。


 この絶妙なレベルデザインが恐怖を保たせ、謎を解けた時の達成感を生み出しているのだ。

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