14.今日はママと秘密の日だ

ん?遅いな…。

いつもならこの時間に帰ってくるはず…。

「あらっ?どうしたの。いきなり起きて来て。」

ママ。

今日は、あの子の帰宅が遅すぎると思うんだけど…。

帰ってきたら怒らなきゃいけなよ!

ママが怒れないなら僕が怒るよ!


「なにを怒って‥‥もしかして、あの子ったら、あなたにどこに行くか言ってないのかしら?」

どこかに行ってるの?

僕聞いてないよ!

「今日はね、あの子友達の家に泊まりに行ったのよ。だから、今日はママとパパだけなの。」

なっ!

なんで、僕にはちゃんと言っていかないんだ!


「そんなに、怒らないの。」

でも、ママ!

僕は何も聞かされてないよ!

朝も僕が起こさなきゃ遅刻してただろうし。

昨日の夜だって、僕が言わなきゃ段差でこけてただろうし。

それに、それに‥。

なんで、言って行かないんだ‥‥。

僕は、賢くていい子だから、別に連れて行けとは言わないさ‥‥。

多分。


「あらあら…じゃあ、今日はママと秘密のアレする?」

秘密…のアレ…。

ママが希望するなら…。

しょうがないな‥‥。


「フフフッ!じゃあ、行くわよ!」


ポーーンッ!


うひゃひゃひゃっ!

これ!

最高!

ママもっと、投げて!投げて!

投げられる時のスピード感がたまらねーぜ!

うひゃひゃひゃっ!

うひゃっうひゃひゃひゃはは!!


「はぁ~…疲れたわ。大きくなったわね。」

ママ、もう終わり?

僕、まだ遊び足りないよ。

けど…ママしんどそう…。

賢い僕は、ママに無理強いなんてしない。


「もっ‥もういいの?それは、助かるわ。じゃあ、お詫びに…。」

ん?

ママどうしたの?

いきなり、冷蔵庫なんか開けて。

今日は、サーモンとサバが入ってるのは知ってるよ?

「はい。どうぞ!これは、パパにもあの子にも秘密よ?」


はわわわわっ!

僕のお皿に…サーモンとちゅ~るが入ってるぅぅぅ!!

なんて、夢のコラボなんだ!

こんな秘密なら、毎日がいい!

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