あえすぎた少年のゆく末

涼宮スズ

第1話 あえて今から恐れ山に行ってくる

「あえて」___


これが俺のモットーで有り生き様でもあるのだが、

俺は今からあえて恐れ山へ行こうと思う。

え、いや。深夜の1時でも関係ないのだよ。

「ちょっと今から山行くけど行くか?」

「いい。行く。」

幼馴染の涼野(すずや)ハルノである。

こいつはもう俺とは正反対の性格でなんでもあまり考えずに

真っ直ぐすすむのだがこれが上手いこと

噛み合うようになってんだなぁ。


「あ、落ちた。」

いやいや、落ちた。じゃねえだろハルノ。

お前、10メートルくらい落ちてるじゃねぇか。


説明すると、ようはつまりハルノは落ちたのである。

俺もハルノも自分の信念関係なしにとりあえず行動しているせいで

よくこういうどーしようも無いことになるのである。

助けに下に辿りついた時、ハルノは誰かと話しているようだった。

いや、こんな時間にハルノと同じように落ちる物好きがいるとは。


彼女は有希と名乗った。

「ユーキと呼んで」そう言って

彼女はにっこりと笑った。


なんでもユーキは家出中でそこにいたのだと言う。

親と喧嘩でもしたのか?

「あはは、まさか。なんとなく家出がしてみたくなったから

ママにちゃんと家出するねって言って出てきたんだよ。」


「あぁ、なるほど。」


いやいやハルノ。それで理解出来たのかよ。

お前たちは間違えなく仲良くなれるぞ。俺が保証しよう。

普通だったらそのまま家へ帰るのだろうが

俺はあえてそこでユーキと一緒に夜を越すことにした。

いや、変な意味じゃないよ。ハルノもいるしね。

いやまぁいなくてもなにもしないのだけれど___



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

あえすぎた少年のゆく末 涼宮スズ @ko-kiorix

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ