第4話 命懸け

「ねぇ...お願いがあるんだけど...」 


 帰り道に、私はこう言った。


「私も...みんなと一緒に街を守りたい。だから...仲間に入れて...?」


三來ちゃんが立ち止まる。


「み、三來ちゃん...?」

「どうしたんだ三來?」

「...あなたにその資格はあるの?」


 その言葉に、朔来ちゃん達は制するようにこう言った。


「三來!」

「ライ!」

「お前その言い方は...!」

「これは命懸けなのよ。“街を守りたい”っていう生半可な気持ちで出来るようなことじゃない。戦いで死んでしまうこともある。それが、命を投げ捨ててもあなたがやりたいことなの?」


 真剣な眼差しで私に言う三來ちゃん。

 命懸けの戦い...命を投げ捨ててもやりたいことかどうか...


「...きついこと言ってしまってごめんなさい。でも本当のことを言ったまでよ。あなたが...暁月さんが考えてるほど、生易しい世界じゃない。それを頭に入れといて」


 迷惑、だったかな?


「あー、えーっと、彩芽ちゃんを家まで送っていかねぇ?」

「いいね!」

「また“ウワサ”とか“怪談”に襲われたら大変だからなぁ」

「...ええ、そうしましょう。暁月さん、いいかしら?」


 ...私の事を思って言ってるんだね。


「...うん。ありがとう」


 オレンジ色の夕焼けの上に、深い青のグラデーションがかかっている。

 “一番星”と呼ばれている光が見えてきた。

 吸い込まれるような青のグラデーションに私は惹かれていく。


「いつ見ても綺麗ねぇ...」

「どうだ?綺麗だろ?」

「うん...綺麗...」

「忘れられないなぁ...」

「...」


 三來ちゃん達は...命懸けでこの街を守ってくれている。

 きっかけはなんなのかはわからないけど...聞いてはいけない気がする...

 そのあと、無事に家まで到着できた。


「おかえりなさい、彩芽」

「ただいま、母さん」

「...学校はどうだった?」

「とっても楽しかったよ!みんな、個性豊かで、面白かった」

「友達はできた?」

「できたよー!だけど...」


母さんは、お茶が入ったコップをおいて


「...なにかあったの?」

「その友達ね...なんか、こう...色々と大変なことになってるの。手伝おうとしても、大丈夫って言われちゃって...」

「そう...なら、大丈夫なんじゃない?」


え、っと声を漏らす。


「...本当に助けが必要なら、そんなこと言わないと思うよ。だからそれまで待ってたら?」

「本当...?大丈夫かな...?」

「まぁ...心配しなさんな...」

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