第4話 お礼

 こんにちは、初恋くん。



 私が初めて愛したひと。


 触れた指先から伝わる温もりも。


 お姫様と王子様がするような、甘い甘い口付けも。


 海の底のように深い深い交わりも。


 あの日、2人で交わした約束も。



 全てを、君と作った綺麗な部屋でしまった。


 だから私は、何もかもが手遅れなこの世界こころの真ん中で、悲しみを呟く。




 さようなら、初恋くん。

 私に恋を味わわせてくれて、ありがとうございました。

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2度とない君との恋 沖田千尋 @chihi_4869

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