アンドルゴンの調理

 食料の余裕はそこそこであり、アンドルゴンは食料として頂くことになった。

 爪や牙。うろこに骨は、加工する役割の者などに持たせる。

 鱗を剥がされたあとは、肉を、数百ほどに分けて、薄い動物の皮でできた袋に放り込んだ。

 肉は外の冷気にさらされて凍りつくので、腐ることはない。

 イェードも手伝いの真似をしてみたが、器用さがあまりなく、大怪我をするところだった。

 少しの切り傷に、大層な薬草を塗られたイェードは外野の一員として解体の様子を見守った。

 日が沈かける前に、今後のために体力をつけようとニクラムが言った。

 隊長の意見は絶対だったし、食事にありつけるのであれば幸いであり、表立って反対意見を言うものは一人もいなかった。

 火の魔法を取り扱える者はそれなりに居た。

 イェードは不得手、というより今のところ不可能な魔法で、狩りや戦闘・戦争ほどでなくとも燃焼を維持できるのは優秀な魔法だ。

 凍った地面に、凍土に植生する木の枝、肉を置いて加熱していく。

 赤い肉が十分焼けてから、皆で分け合い、それを食べた。

 途中で雪を布袋に入れて溶かし、水として飲む。

 少なくとも、生で食べるよりは美味いな、とイェードは思った。

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