エピローグ:一冊の古ぼけたスケッチブック

 ここに一冊のスケッチブックがある。

 とんでもない困難に出くわした時、大きな壁が立ち塞がった時、そして何としてでも前に進まなくちゃいけない時、俺はこのスケッチブックを開く。

 

 長い年月を経て、表紙はすっかり色褪せている。書かれていた「天野しずく」って名前だって、いつの間にかインクがかすれて読めなくなってしまった。

 だけど中に描かれた中学時代の思い出は今も当時のまま鮮明に残されていて、眺めているとあの頃を思い出して自然と顔がにやけてしまう。

 

 そして同時に心の泉に勇気が湧き上がってくるんだ。

 そうだ、俺なら出来る。出来るんだって。

 

 これは夢を捨てようとしていた俺のもとへ彼女が現れ、文字通り一肌脱いで……ついでに俺も脱がされちまった物語。


 俺と彼女だけが知る、サッカー日本代表・中林俊輔の秘密の話だ。

 

 おわり。

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美術部の可愛い後輩は、俺の裸を描くためなら自分も脱ぐのを躊躇わないッ! タカテン @takaten

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