おまけ:「元弊社、花筏かな?」没短歌リスト

もう会えない弊社が潰れゆく朝に

宇宙飛行士になる夢をみた


「元弊社、花筏かな?」はここから始まりました。

最終的にお花でドリブンすることにして削りました。「花が元気のバロメーター」という仕掛けを思いつくまでかなり迷走しました。



年金が月額十円あがるだけ

シティーロースト軽やかな朝


障害年金の受給者は属性盛りすぎだなと思ってやめました。

シティーローストはやや浅煎りのコーヒーのことです。うまいコーヒー飲んでる場合じゃないぞ。不景気なのに能天気な作中主体。



疫病と雨の気配に逃げ惑え

桜の道をうつむいてゆく


まだ作中主体のキャラ付けが決まってなかったころに没ったやつです。

コロナ詠を前に出しすぎない方向にして削りました。



痛いのは行くべき場所のない自由

だいじな人がもういない部屋


既出作品なので削ったもの。「キミ」をもっと近しい存在にする案もありました。



かび臭いタンスに思う

肺炎で死にゆくキミの胸中のこと


こちらも「キミ」に関する迷走です。

おじちゃんと慕っていた人が風邪をこじらせ肺炎で死んだ過去があり、引っ張られてしまいました。コロナ詠に寄せるため消しました。

余談ですが、おじちゃんの死は「レストランを開く」という夢を叶えるためビルを建てた直後でした。他所の子である私はおじちゃんの葬儀に出られず、墓の場所も知らされず、なので今でも墓参りとしてそのビルを見に行きます。「弊社のお墓参りをしよう」はこの行動から派生した歌です。



神の手を信じぬ我に開かれる

教会の戸とエアコンの風


就活中シーンに入れていた一首。宗派にもよるのでしょうが、近所のキリスト教会は真夏でもドアを開けっ放しで誰でも入れてくれます。

神様が出てくると存在感が強すぎるので消しました。



セニラン芸ザイザル細工ざいくハルシおん

どんな仮面も飲んで生きるさ


「精神を安定させる作用では〜」のあたりにありました。

駄洒落がださすぎる。他は精神安定剤なのになぜかザイザルは皮膚科の薬だし。書いた時のきもちがおもいだせない。



元気かな会社ネコチャン

廃ビルで今も課長を待ってるのかな


猫が出てくると神様以上に作品を食ってしまうので消しました。

シチュエーションも可哀想すぎる。なんでこんなの書いたんだ人非人。

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「元弊社、花筏かな?」自歌自解 千住 @Senju

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