第2話 茉白

 初めて、会ったとき。

 消えそうな雰囲気の女性だと、なんとなく思った。


「はじめまして。茉白まつしろです」


「はじめまして。煌他こうたです」


 初めて名前を伝えあったとき。


 同じことを、考えた。そして。同じように、笑う。


「男性のような名前だ。いや、名字か」


「はい。あなたの名字も、女性みたい」


 空気が、合った。まるで、お互いの吐く息を、そのまま吸っているような。互いの周りを、循環しているような。


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