第6話 再びのコーンスープ 封印の究極奥義

    




 十時にコーンスープを飲み始めて、ついにクレームが来た。

 わたしのコーンスープの飲み方についての究極奥義は、第一話でお話ししました。

 そう、問題となったのは、わたしの左手。

 コーンスープで汚れて、ウェットティッシュできれいに拭いたはず左手に、わずかに残っていたらしい。

 半年間積もり積もったコーンスープの微量な汚れが、左手で打つキーボードから検出したらしいのだ。

 お休み(有給休暇)した日に、わたしのパソコン(キーボード)を触った人が、

「コーンスープのにおいがした」

 と言うのだ。

 わたしが職場の風物詩としてしまった、究極奥義は万人の知るところ。

「キミは毎日触っているから気付かないけど、他の人だと分かるんじゃないのか?」

 そうも言われました。


 と言うことで、先週から、缶スープは卒業して、百円でひと箱三袋入りの粉末タイプのカップスープに切り替えました。

 もちろんツブツブ入り。

 専用のコップは必要ですが、それは百均で買った。

 

「美味しい!」

 缶コーンスープとほとんどクオリティは変わらない。

 お好みの濃度はお湯の量で調整できて、しかも、究極奥義を必要とせず、取りこぼしなくツブツブコーンを完食できるのです。

 しかも、毎日百円使っていたスープ代が三日で百円。お財布にも優しい。(笑顔)

 コップを洗う手間は出来たけど、缶スープを叩いたり振っていた手間よりも、遥かに楽だ。

 注意された時は少しブルーだったけど、まさに、災い転じて福となす、でした。

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