私より遅れて来ているのに婚約破棄ってどうかしていますねっ!

一ノ瀬 彩音

第1話 壱

今、私は某有名な公園に居るのですが

何故、公園に居るのか?

その理由は婚約者とデートする為に公園に居るのですけど、

待ち合わせ時間を過ぎても一向に婚約者が来ないのです。


公園にある時計台を確認すると既に13時を過ぎているのですが

待ち合わせ時間は13時なのです。


何故、待ち合わせ時間が過ぎているのに婚約者は来ないのか?

もしかして私は見捨てられたのか?

そうだとしても連絡先は交換しているのですから

連絡をして欲しいというのはあるのです。


私のお名前は霧花麗華きりばなれいかで年齢23歳ですが

普段、電子部品メーカーに勤めておりまして、

そこでは経理課で働いているのです。


働ている時の私は本当にパっとしないし、地味だし、

特に容姿も普通過ぎて誰にも相手にされないのですが

それでも私は必死に奮闘しているのです。


そして、婚約者のお名前は蒲原圭吾うらはらけいごで年齢28歳ですが

圭吾さんは私が勤めている企業の上司です。


上司である圭吾さんはいつもお仕事が終わるとよく私の事を面倒を見てくれておりまして

それだけじゃなくてお仕事中にも色々とアドバイスとかをしてくれて

助かっている部分もあるのです。


それなのに……今日のデートに関しては何故来ないのかがわからない私ですが

きっと圭吾さんに何かがあったのでしょう。


私はもうしばらく待つ事にするのですけれど、だんだんと時間が過ぎていまして

時計台をチラッと見ると14時を過ぎているのですから、本当に今日は来ないのかなって

思っていると聞き慣れた人の声が聞こえるのです。


圭吾さんが息を切らしながら駆け寄って来ると

「悪いな、物凄い遅れたよ、本当にごめんな」

そう言われると麗華はムッとした顔で

「遅れるのなら連絡下さい、知りません」

そう言いますと麗華はそっぽを向くと圭吾さんは

麗華の前に来るといきなりフレンチキスしてくるのです。


「キ、キスで誤魔化そうとしても許しませんっ!!」

そう言いますと圭吾さんは参ったなという顔をしながら

「麗華、そんな事を言わないでご機嫌を直してくれよ、な?」

そう言われると麗華は圭吾さんの唇に唇を重ねてキスしているのです。


「これで許します」

「許してくれてありがとうな」

「次から遅れる時は連絡下さいね」

「ああっ、わかったよ」

「どうして遅れたの?」

そう言いますと圭吾さんの顔が曇っているような感じですが

どうしたのかなって心の中で思う麗華です。


「本当にすまない、麗華、婚約を破棄したい」

「どうして破棄するのですか?」

「そのな、別に大好きな人というか、母親と恋した」

「は、母親って実親なのでしょ?」

「いやっ、義理母何だよな」

「そうなんだ、それは仕方がないね」

「本当にすまない」

そう言われると麗華は項垂れてショックを隠せないのか

大粒の涙を流しておりまして、泣いているのです。


泣いている姿を見ている圭吾さんはニヤニヤと笑っているのですが

何処が可笑しいのかもわからない麗華であった。


圭吾さんが笑い続けているとイライラしてくるし、

苛立っている麗華は圭吾さんのスネを思い切り蹴り飛ばすと

「ぐぁぁああっ、痛いだろうがっ!!」

そう叫ばれると麗華は圭吾さんの事を睨みつけながら

「マザコンっ!! 最低な人ねっ!!」

そう言いながら圭吾さんの頬に平手打ちするのです。


「い、痛いじゃないかっ!!」

「…………」

麗華はその場から駆け足で離れるとまだ悲しいのか

泣いておりまして、本当に可哀想な麗華であったのです。


その後、麗華は電子部品メーカーに勤めておりましたが

退職していまして、次の就職先を探す為に就活をしているのですが

このご時世ですから、なかなか見つからないのです。


仕事先も決まらず、実家へ帰宅するとやっぱり圭吾さんから婚約を破棄

された傷心が癒えていない麗華は急に何もかも意欲を失っていまして

自室に引き籠りがちになるのです。


『あ~あ、私の人生って一体どうなっているのかな』

そう思う麗華はしばらくの間は引き籠り生活をしておりまして

その生活を満喫していると親から叱られ、怒られ、喧嘩もして

散々な毎日を送っているのでした。

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私より遅れて来ているのに婚約破棄ってどうかしていますねっ! 一ノ瀬 彩音 @takutaku2019

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