第27話 またまた予想外

グレンさんに許可を貰い、魔法を使える事になった。王様や他の人は私が魔法を使えないと思っているのか、嘲笑うような顔していた。


「分かりました。先に私が見せます」


そう一言言うと、驚いてる人もいればそんな訳ないと信じないような顔している人もいた。私は、ろうそくに火をつけるぐらいでいいかなと思い、ろうそくを用意してもらってその魔法を唱えた。


「ヒートへイズ!」


そう唱えると、ロウソクには赤い火ではなく青い火が揺らいでいた。それを見て王様に怒鳴られた。


「何故!お前ごときが青い火を!」


青い火に何か問題でもあるのだろうか?でも私も今まで使った時は赤い火しか出たことは無かった。詳しいことを知ってるんじゃないかとルードさんの方を向くと目が合った。ルードさんは1歩出て王様に提案をした。


「まだ、気になるようでしたら魔導師団の練習場へ場所を移しませんか?」

「確かに聖女は、もっと魔力があるからな場所を移そう」


青い火の意味も結局分からないまま、馴染みのある場所へと移動した。練習場に着くと向こうから人がこっちに向かって走ってきていた。


「ツキノ様!今日は来れないのでは?」

「ツキノ様、ご予定は…?」


そう、いつも私は魔法の練習のため、魔法での練習の試合で怪我した人を癒していたのだ。今日もここに来てするつもりだったがレティ様に呼ばれてしまったから来れないはずだった。


「ツキノ様の魔法見れるなんて!魔導師団の私たちが保証します!」


ルードさんにさっきより多少強い魔法を使ってもいいと言われたのでだいぶ先にある的の中心に当てる魔法を使った。


「グラスヘイル!」


物凄いスピードで、氷の粒が的のど真ん中に刺さるはずだったのにこれまた、規格外レベルで的が壊れた。あの的は壊れることは無いと説明で聞いたけど…大丈夫かな?


「お、お前の魔力はす、少ないな!」


声震えてますよ?どツッコミたかったが相手は王様だったのでやめた。次は、星宮さんの番だ。聖女だから私の魔力じゃ比べ物にならないだろうな…


「次は、私ですね。私も月野さんと同じ魔法を使います!」


そう自信よく話していたので私より威力が凄いと思った。


「グラスヘイル!」


星宮さんはそう唱えた。だか、何も起きなかった。氷の粒すら出ていない。周りを見るとみんな頭にハテナが浮かんでいた顔をしていた。


「あ、あれ?今日調子悪いのかな?グラスヘイル!」


もう一回唱えても発動しない。星宮さんは明らかに焦っている。

また、助け舟を出すためにアルベルト様が星宮さんの前に立つ。


「セナは、この魔法を使ったことがないんだろ?急には、聖女でも難しいだろ!」

「ふむ、そうだな。聖女の実力はまた次の機会にしようじゃないか」


向こう側の人達は、負けると思ったのか。今度にすると決めた。勝ち負けではないけれど、私的には勝った気がした。


「ツキノ様、お疲れ様でした。やはり、上達が早いですね。まだそう、日は経っていないのに」

「ルードさんの説明がいいんですよ」

「魔力を使ったので疲れているでしょう。お部屋に戻りましょう」


私は、魔導師さん達とレティ様に軽い挨拶をし練習場を後にした。それにしても、聖女様なら魔法を使えるのでは?正直、疑問に思った。


「それにしても、聖女様が使えないとは驚きました」

「ですよね…私も驚きました」


グレンさんも顔には出ていなかったが驚いていたらしい。


「聖女様が魔法を使えないという噂は一切無かったですから、使えるものだとばかり思っていました」


噂がないって言うのもなんか怖いな。誰だって一つや二つぐらいはあるばすだ。ふと、思い出すと王様はさっき次回と言っていたからまた呼び出されるのか。少し憂鬱になるがしょうがない事だった。色々なことを考えてるうちに部屋に着いていた。グレンさんが気を使って


「今日は、もうお休みしますか?」


私は、魔力を使っただけでは疲れないけど精神的に疲れたのでその言葉に甘えて直ぐにベットに倒れ込んだ。今日のような事があまりありませんようにと願いながら眠りについた。

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