聖女として呼ばれたが、関係ないみたいなので異世界一の美容師を目指すことにしました。

七星みや

第0話 プロローグ

今日も、いつも通り終電ギリギリまで練習して疲れた、それなのにやっと家の近くまで来たのに信号に引っかかった。ふと横を見ると隣に同じく信号待ちをしている、女の人がいるこの人は残業かなとか勝手に思いながら視線を戻すと車がこっちに向かって猛スピードで突っ込んでくる。あまりにも速く、あっこれ間に合わないと死を覚悟しただが、ぶつかる前に眩しい光に包まれた。つい、眩しくて目を瞑り治まるのを待つ目の隙間から光が治まったの確認して目を開けると、私は室内にいた。明らかに日本ではないと思うような部屋に…でもそんな私にはお構いなしに


「召喚が成功したぞ!」

「王に報告だ!」


だの、正直うるさい静かにすることはできないのかと心の中で怒っていると扉から王様らしき人が現れる。こっちに向かってくるが話しかけたのは私の方ではなかった。今まで気づかなかったけど隣にはあの時隣にいた女の人、暗くてよく見えなかったがモデル級の美人さんだった。そうだよな普通は可愛い美人さんの方に行くよね…


「そなた、名前は」

「星宮世奈です…」

「ホシミヤ・セナ?」

「えっと、世奈が名前で星宮が家名です…」

「セナか!いい名前だ。急で申し訳ないが、君にはこの国を救ってほしい」

「え?どうゆうことですか?」

「ここでは人が多い場所を移そう」


この女の人顔が良いにもかかわらず、声までもいいなんて世の中不公平だなと感じる。私のことは完全スルーかこれからどうするんだろうな私、どうせ戻れないよねと呆れていると星宮さんと目が合う。でも星宮さんは問題なさそうで安心した、きっと保護してくれるだろう


「あの、この人はどうなるんでしょうか…?」


私のことを気にかけてくれたようだ、優しい人だな。


「もう一人いたか、だがセナが聖女なのは間違いないだろう。そのものをどうするかは考えておく心配することはない」

「そうですか、良かった…」


肝心の王様は私が見えませんでしたか、考えておくとか言いながら考えないでしょ。私は自力で生きる術を探さなきゃいけないのか、と落ち込みながら正直驚いていた。自分があまりにも召喚されたとき冷静だったから…きっと元の世界で転生ものの本など読んでいたから動揺せずに冷静でいられたのだろうかとかなと一人で考え、勝手に納得すると騎士様が近づいてきたでも髪で顔が隠れてて表情がよく見えない。


「あなた様を部屋に案内します」


声を掛けてきた騎士様についていき、王様が用意したと思われる部屋まで連れて行ってもらう。行く途中お城からどんどん離れていくな~と思った時点で気づくべきだった、部屋を見た瞬間私生きていけるかなと自信を無くした、それぐらい私の扱いは雑だった。横目でここまで案内してくれた騎士様を見ると顔は見えないが申し訳なさそうに部屋を見つめていた。これに関しては騎士様が悪いことではないし案内役をしてくれただけありがたい。とりあえず、部屋に入り椅子に座ったまま、軽く微笑みながら


「ここまで案内してくださり、ありがとうございました」


すると、騎士様は驚いたように固まってしまった。この部屋を見て怒るとでも思ったのだろうか?でもお礼を言うのが普通だろうなのに何故驚いてるのだろう少し沈黙が続く、どうすればいいか分からずおどおどすると固まっていた騎士様がこっちに向く。


「申し遅れました、あなた様の専属護衛になりました。グレン・ダウナーです。どうか気軽にグレンとお呼びください」


この騎士様、私の専属護衛になったのか申し訳ないな。たまたま巻き込まれた余り物の護衛をさせられるなんて嫌だよねって私も名前言わなきゃ


「えっと、私は月野葵です。葵が名前で月野が家名です」

「ツキノ様には申し訳ないです。急いでいたからと言って、このような対応になり…」


グレンさんは申し訳なさそうなそうにした。私は、この人には迷惑をかけないようにする、とこの時決めたのだった。優しくしてくれる人は大切にというお母さんの教えがあったから。そういえば、王様が言ってたこの国を救う聖女ってなんだろうとさっきから疑問に感じていた。詳しいことは知らないと思うがダメ元で聞いてみる。


「あの、さっき王様が言ってた聖女って何ですか…?」

「ツキノ様には説明をしていませんでしたね、聖女とは聖なる力を持つものです。今この国は魔物が増えています。聖女様には六か所の岩に聖なる力を注いでいただなくてはいけないのです。岩には代々聖女様が聖なる力を注ぐと二千年は魔物が近づかないように結界ができるはずなのですが千年たった今その力は弱まっています。あと千年は平気なはずだったのですが、このままだと聖なる力を新たに注がなければこの国は魔物に飲み込まれ国は滅ぶでしょう。」

「何故、二千年もつはずの結界が千年で弱まっているのですか?」

「多分ですが、最後に注いだ聖女様の聖なる力が少なかったのでそのせいで弱まるのが早まったのではないかと思われています。」

「聖女様が持っている聖なる力は人によって量が違うのですか?」

「確信はありませんが、今までの聖女様で考えると少しバラつきはあったようです。」


と親切にわかりやすく説明をしてくれた。でも話を聞くとさらに星宮さんが気の毒だ、あまり時間がない状況でとても重要な役割を今すぐにさせようとしているのだから、とても心配になった。だからって今の私では会うことすら出来ないだろう同じ聖女召喚で来たと言っても、私はこの扱いだ。場合によっては星宮さんの負担を増やしてしまうかもしれない、それこそ私はこの国の常識なども覚えなければいけないというほどまだ私はこの国のことを全く知らない。まず、この国のことを知るのが最優先だと考えた。そう決めた私は改めて思った。


――――――――私はこの世界で自分の力で生きていく。

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