第51話 妖精王×神①

キン!

キン!!

キン!!!


ギギギギ!!


大剣と大太刀はぶつかり合う


金属の音が空に響く



「……」


一度距離をとる両者


ヤトに近寄るラニャ。


「ふぅ。さて、呼び出されたらいきなり打ち合いとは。どういうことだ、ラニャ」


「すまんの。ワシではあれの相手は役不足でな。」

「……あれは死んでるな、操られてるのか?」

「ネクロマンサーっていうんじゃ。死体を操る術じゃ」

「なるほど。ならあれは切っても治るか。なら『縁』を絶つ」


「頼んだぞ。」

「ああ」


ヒュン


一瞬でヤトは戦場にもどり

剣閃の嵐が空に咲く



「まさか、神、とはね。」

レイスがラニャと対峙する。

レイスは小さいドラゴンに乗っている。


「すごいじゃろ?」

「君の顔の広さには驚愕だ」

「人気者なんでのぅ。……覚悟は、よいな。」


「いつでもどうぞ。」



「っ!!」


ゴウッ!


火の玉がラニャの杖から飛び出す



「はっ!」


ポワン

ポワン


レイスは空中に多数の水泡を展開


ジューーーー!!


火の玉をかき消す。


水と火

相性はレイスに分があった。





ー数十分経過ー





肉薄した戦いが続く




しかし


「(おかしい……わしとレイスではそもそも魔術師としてわしが数段上のはず……やつはネクロマンサーの術以外はほとんど中の上くらいじゃ……)」


事実は裏腹に力が拮抗している。


「(おそらくは妖精王と契約していることで力が流れてきているのか……!?)」



パパパパン!


水滴が銃弾のように飛んできてなんとかかわすラニャだが何発か腕をかすって血が出る



「戦闘中に考え事とはよくないよ、ラニャ」

「レイス」

「?」

「質問よいか?」

「どうぞ」

「おぬしの魔術の腕は中の上。今は妖精王と契約していることで力が上がっているんじゃろうが、まず、どうやって妖精王を殺せた?おぬしでは妖精王を仕留めるには、力不足のはずじゃ。」

「あー、それ。ふふ。知りたいかい?」

「……」

「じゃあ訂正とヒントをだそうか。僕の力は妖精王と契約していることであがっているわけじゃないんだ。そしてこの力を手に入れるために別の契約をしているんだ。」


「別の契約じゃと……」

「あくまで僕はアンカー(錨)役。君を手に入れられればあとはどうでもいいからね。僕は君を倒して、君を手に入れる力を借りる代わりにあの人をこの世に呼び出すアンカー役を買って出たんだ。」


話が見えない。

つまりレイスの後ろには妖精王を凌駕する力を持った誰かがいる、ということだろうか。


「質問は終わりかな?じゃあ続きだ」

「くっ!」


はなしている間に空には多数の水泡が浮かんで動き回れない。触れれば爆発は免れないからだ。


ラニャは叫ぶ

「極大魔術!!」



杖から炎が渦を巻き形を作る

炎の巨人の右腕が拳をつくり


「エンフィスト!!」



拳は空に向かって放たれ、たちまち一体の水泡は爆発し、道を作った。


そこを縫うようにナタとラニャは距離を取る。


しかし、ラニャの魔力の底はもうすぐだっ

た。




続くのじゃ!

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のじゃロリ元賢者のわしが占い師やってたら女淫魔やら人狼少女やらなぜか女に好かれるんじゃが!? 一ツ木 @hitotugi

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