第9話 手を這わせた

『フフ……✨😌✨ さァ~、出なさいよ』

 彼女は微笑を浮かべ顎で命じた。



『え、出て良いの……』少し遠慮がちだ。

 

『もちろんよォ。フフ……』

 アリスは微笑み、スッとマリの太ももに手を伸ばした。



『うゥ……😳💦💦』

 太ももを触られた瞬間、マリの全身がビクッと痙攣したようだ。


 風俗童貞の彼は彼女に太ももを触られた事も初めての体験だ。



『だってェ……✨👄✨✨

 お兄さんのタカッて、インテリなんでしょ』

 アリスが耳元で囁いた。



『ええ、まァ~、僕とは違って、一流大卒のエリートですけど……』

 ずっと兄のタカにはコンプレックスを感じていた。

 


 まだ着信音が鳴り響いていた。



『フフ……、何してるの。良いから電話に早く出なさい』

 勝手にアリスは、スマホをスピーカー仕様にタップした。



『あ……😓💦💦』

 


《ン…、もしもし…… マリか❓

 俺だよ。俺❗❗》

 スピーカーから別荘の事情を把握していないタカの声が流れた。



『なッ、なんだよ……。オレオレ詐欺か』

 焦って、マリこたえた。



『フフ……✨😌✨』

 不意にアリスはマリの脚の付け根辺りに手を這わせた。



『ひゃァァ~~ー~……😲💦💦』

 マリは驚いて悲鳴を上げた。



《あン……? どうした。マリ

 変な悲鳴をあげてェ……》



『べッ、別に……』

 とっさに腰を引きアリスの手をした。



『ゴッ、ゴキブリがァ~…』

 仕方なくマリは話しを、害虫の所為せいにした。




《あン…、なんだよ。ビックリさせるなよ。

 たかがゴキブリくらいで、乙女かァ~❓

 ッたく、お前はァ~…!!》


『ン…… 兄貴こそ、なんなの。

 僕のスマホに電話なんてェ……

 珍しいなァ~…』

 後妻の件に関しては、マリの方から報告をするはずだっだった。




《バァ~カ❗❗ 今日、後妻のババーが来ることになってンだろォ~~……》

 兄のタカは何の遠慮もなくババーと呼んだ。



『え、ババァ~ッてェ……😓💦💦』

 思わずマリはアリスの顔色をうかがった。その瞬間、ドキッとした。

 



『ンゥ……😠✨✨』

 アリスは怒りにうち震えたみたいな形相だ。


 





∠※。.:*:・'°☆∠※。.:*:・'°☆∠※。.:*:・'°☆

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