第9話

「それでさ、やっぱり、『俺』は良くないと思うんだよ」

「やっぱりか?」

「女の子が『俺』って一人称使ってると、変な目で見られるよね、まだ」


琉愛が言うには、『俺』ってまだ女子が扱うのってやっぱり現代では変人扱いされるという。


「私の友達のお姉ちゃんの友達のことなんだけど、まあ、ヤンキーだったんだけど、やめて、普通に仕事してるんだけど、『俺』って無意識に出ちゃったんだって。そしたら、その同僚に注意されたらしいんだよね」

「別にいいのにな」

「まあ、私たちの世代と大人たちの世代では価値観違うから、まだしょうがないと思うよ」

「それで、どうすればいいんだ?」

「んー、それじゃあ、『僕』か『私』か『アタシ』か『奏空』かな」

「ん?なんで選択肢になぜ『奏空』?」

「え?『奏空』、よくない?」

「え?なんで?」

「だって、下の名前が一人称ってなんかロリっぽさが出て、よくない?TSっ娘に幼馴染にロリっ子、よくない?」

「却下!」

「えぇ、なんで…」

「だって、どうせ、ロリっぽくして、妹みたく愛でたいんでしょ」

「うん!」

「なんで、そんなに元気に答えられるかね」

「それで、どれにするの?」

「切り替え早いな、おいっ、まあ、その中だったら、まだ『僕』は違和感ないかな」

「ボクっ娘いいね」

「お前、仕組んだだろ」

「いや?だって、選択肢に奏空が選びそうな『僕』を入れて、誘導して、ボクっ娘にしたかったみたいなことではないよ」

「まあ、いいけど」

「ボクっ娘ありがとうございます」

「それで?あとは?」

「んー、あと、語尾がなんだろ、強いのかな」

「強いのか?」

「それ、その『強いのか?』って感じが強いかなって思う」

「ん?どう答えるのが正解だ?」

「えーっとね、私的には『強いかな?』って感じかな」

「そんな感じか」

「今のも強いよ」

「そんな感じかな?って感じか?」

「そうそう、って言ったそばからだよ」

「悪い悪い」

と「俺」、改め、「僕」と「僕」の幼馴染で人生初の恋人である琉愛は「僕」の口調を直すべく、そして、今までの話してなかった時の様々なことについて知るために、夕食の時間になるまで話し合った。







もっと長い期間かけてから付き合えよと思ってらっしゃる方いると思います。

確かにそうなんですが、私的に付き合ってからのイチャイチャを書きたいので、もう付き合わせました。てか、某天才たちのみたいなのは書けないので、もうそうするしかなかったので、申し訳なく思っております。


次回は琉愛からの視点からです。

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