雪の跡

 インフルエンザだと言われてから何日たったろう。

 まだじんじんとするような頭の中で、昨日雪が降ったことを思い出していた。

 君と居られる日々は、辛い日の雪のようだと思う。

 このところ暖かくなってきて、窓辺に置いた猫ちぐらの上から動かない君が、寝込んでからまたそばに来てくれるようになった。

 それはまた寒さが戻ったからかもしれないし、そうじゃないかもしれない。

 君はこの冬、猫ちぐらに入らなかった。

 飲む物を買いに、パーカーを何枚も重ねて外に出たけど、背中が少し痛かった。

 自販機の前の小さな公園には、子どもや犬や、多分、猫の足跡が、灰色に盛大に模様をつけていたのが君の毛の色に似ていた。

 今朝も君は僕の顔になぜか肉球を押し付けてきた。

 何かの催促かもしれないけど、明日は仕事にいける気がした。

 

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