眠る前に考えてしまうあなたのこと

 大きい猫が前足で透明の家の壁を開けると、ひんやりとした風が入ってきて寒い。

 だけど、お日様の光があったかいから、私はここで丸くなることにするの。

 じっとしてると、耳が熱くなってくる。

 私はいろいろ考えるけど、こうしていると、だんだん考えたちはいなくなる。

 あぁ。でもなぜかしら。あなたの大きい前足が私の頭に置かれて優しく動いていることとか、無理やり宙に浮かせられて怖かったこととか、くるくると浮かんでは消える。

 前にいた小さい家から、モノの沢山ある、この大きい家に来てから、眠る時には今日のあなたのことや、いつものあなたのことばかり浮かんでしまう。

 この間、私のおやつの硬いクローバーを床にぶちまけてたわね。片付けてあげるのは簡単だったけど。

 ふふ、あの日は楽しかった。

 おやすみ。

 

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