バーでカクテルを呑む事へのススメ

第12話 ホワイトレディ

　さて続きまして、シェイクで作るカクテルの王道はいくつか存在しますが、その中でも特に代表的なものをご紹介致します。その名も『ホワイトレディ』です。

　作り方は、シェーカーの中に氷を入れて、ジン30cc・コアントロー15cc・レモン果汁15ccを注いで、よくシェイクして、冷やしたカクテルグラスに注いで完成。というもの。

　文章で解説するとこのくらいの簡単なもので済んでしまいますが、その内情はもっと複雑なものです。

　まずジンですが、銘柄を何にするかで香りやアルコールの強さが決まってきますし、コアントローもコアントローでなくても、他のホワイトキュラソーで代用できますし、レモン果汁もその場で絞ったフレッシュなものから濃縮果汁還元を使う場合も。それぞれの分量もその時に応じて、微妙に調整したり。氷も量の多い少ないを調整したり。「これだ！」というレシピに至るには、かなりの試行錯誤が必要になります。

　シェイクで混ぜるので、空気が混ざり込んで味がまろやかになる反面、氷が溶けて加水されますので、味がぼやけてしまう事もしばしば。なかなか難しいんですよ。

　これだけにとどまらず、ジンを他の蒸留酒に変えると、また別のカクテルになります。

　ホワイトラムを使えばXYZ。

　ブランデーを使えばサイドカー。

　ウイスキーを使えばサイレントサード。

　ウォッカを使えばバラライカ。

このようなバリエーションになります。ひとつ知っておけば、色々と変化球が使えるカクテルです。

　これらのカクテルはアルコール度数の強い『ショートカクテル』になりますので、お召し上がりになる時はご注意を。