05

「どうしたんですか?」


 殺さないのかな。はやくどうぞ。いつでもどうぞ。


「いえ。もうしわけない。あなたは、殺すのに時間がかかるようなので、しばらく普通に暮らしてください。隣にいさせていただきます」


「分かりました」


 そんな簡単には、しねないのかな。

 遠くから、マネージャが走ってくる。


「あ、こちら、わたしの依頼したボディーガードさんです」


「どうも。万戸まがとです」


 とっさについた嘘だけど、殺し屋さんも乗ってきてくれた。


「主に、送迎や帰宅前後の警備を担当します。メディア対応なども行います。ほら。記者腕章」


 殺し屋さん。記者のふりして、ここに来たのか。すごい。厳戒態勢なのに。


 マネージャ。納得したらしい。よろしくおねがいしますとだけ言って、戻っていった。


「さあ。行きましょうか。殺し屋さん」


 腕を組もうとして。


 腕を払われた。


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