退廃的な美的センスが徹底されている

一言に「血」と言っても、血液型の他に、本作では病気を患った者の血液などに、味覚的変化はあるのかと問う。
その答えは置いておくにしても、素朴な質問だからこそ、案外、答えが思いつかないというケースは多いことに改めて気づかされる。

「吸血鬼になりたい」と考える心理症例は世界各国で見受けられ、わが国ではおとぎ話に過ぎない吸血行為は、異常とされる事には違いないが、現実に起きている。
吸血病(ヴァンパイアフィリア)というものもあるという。
現実離れした設定ではあるが、現実に存在し得る世界観なのが魅力的。

本作は、非常に洗練された「吸血鬼の美」を描いているため、とてもゴシック的で面白かった。