コラム④ 『見やすい』文章と『読みやすい』文章

 コラム③は現在改稿中ですが、ツイッターで知り合いの作家さんと話しながら「これだ!」と思ったことがあるので久しぶりのコラムを書きます。


 段落がなく全ての地の文が繋がっている文章。 これは長文、短文の区別なしに非常に読みづらい。 当然の話です。 視覚的に見づらい文章が読みやすいわけがありません。

 しかし、視覚的に見やすい文章が読みやすいかと言えばこれも違う。 改行されてスペースが取られ、文字を見るのは苦にならない。 そんな文章でも読みづらくなります。

 やたらと改行や行間を開けることを奨める人は『見やすい』と『読みやすい』を混同してしまっているのでしょう。


 小説は文字で表現されるので勘違いされがちですが、実は文章表現と同じくらいに視覚表現も大事になります。 だからこそ、文章が詰まりすぎると見づらいと文句も出るし、そういうことにならないように気を付けるわけです。

 他にもセリフにインパクトを与えるために行間を開けて強調したりもするし、心象表現を強調するために一文ずつ改行して行間を開けるという手法をここぞという場所で入れたりします。

 視覚的に見やすくする書き方が大事なのも確かなんですね。


 しかし、下手なやり方をして段落が適切に作られなかったり、読点の打ち方が不適切だと文意の繋がりが絶たれてしまいます。 そうすると、視覚的には見やすいのに文章的には非常に読みづらくなるということが発生するわけです。

 この『見やすさ』と『読みやすさ』を履き違えている代表が『段落開始時の空白』をいらないとしている方たちの意見なのではないかなと、そんなことをツイッターで話しながら思いました。


 行間を開けるのは問題ありません。 特に横書きだと開けた方が見やすいのは確かでしょう。

 しかし、その際も文意が途切れないように気を付けるべきだし、まして段落開始時の空白は『読みやすい』文章を書くためには必須だろうと、それが私の意見になります。

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