コラム② 段落開始時の空白

 非常に多くの作者さんがやっています。 横書きだとその方が読みやすい、そんな意見があることも①で書きました。

 それが一般的にはあり得ないと書いた理由から説明します。


 ルールを守る理由については書きました。 意味の繋がりを整理するためのものであり、つまり段落開始時の空白、改行、句読点は『ここで意味が区切られている』ということを示す合図であり標識になります。


 道路標識で考えましょう。 いくつもの道が交わった交差点で2つの曲がり角の中間に進入禁止の標識が設置されている。 ぱっと見た時、どちらが進入禁止なのか分かりづらくて困りますよね。

 標識というのは決められたルールに基づいて明示的に、間違うことのないように設置される必要があります。 なのにこのケースだと混乱を引き起こし運転に支障をきたしてしまう。


 段落開始時の空白を付けないのはこれと同じことを引き起こします。 どういったケースにおいてかと言えば『行の最後が句点でくくられて文が終わった場合』です。

 次の文が段落内の続きの文なのか、はたまた次の段落に移行したのか、段落開始時の空白を設けていないため分からなくなってしまう。

 読書慣れした人や逆に適当な読書をする人なら、さほど気にしなかったりするのは確かにあります。 しかし、普通はそこに違和感を感じてしまい、それが続くとストレスになるしスムーズに読めなくなってしまう。 そうして、折角読んでくれた読者様を内容とは関係なしに逃してしまうことがあります。


 ここで一つ疑問が出るかも知れません。 私がやっている句点の後に空白を設ける書き方ですね。

 『段落開始時の空白』と併せて『段落内では行頭に空白を設けてはいけない』と、やはり混乱をきたさないためのルールが存在します。

 しかし、私の書き方はこうした投稿サイトで書いている限り、段落を設けない場合のような混乱を引き起こすことはありません。 できないようにされています。


 カクヨムをPCで見たことはないのですが、なろうの場合は句点の後ろに付けた空白はそもそもなかったことにされて詰められます。 なのでPCでこの文を読んでいる方はこの話が何のことなのか分からないかも知れないですね。

 そして、行末を句点で締めて改行せずに空白を入れようとした場合、行末の句点とその前の一字が次の行頭に移動します。 そうやって『段落内の行頭に空白を設けてはいけない』というルールを守らせるように設定されてるわけですね。


 変なところで文章が切れて読みにくくならないかと言えば、これは別にこのケースのみの話ではないので問題ないのです。

 行頭に句読点を打つケース、『──』や『……』など複数個繋げて一つの記号とされるものが、行末と次の行頭に分割されてしまうような時も同じ処理をされます。

 段落開始時の空白こそ、①で話したルールをはずれた表現技法のために設定されていませんが、運営側もルールを守ることを推奨している、それは確かです。


 『段落開始時の空白』──付けない理由はないんじゃないかと思いますがどうでしょうか?

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