第28回 オムライス作る配信(警察もコラボ)

理について調べたかったため、たまたま、現在進行形で行われている卑弥呼とのコラボの配信を見ようと思った。


 


タイトル


「ことちゃんと、オムライスを作る配信」


 


卑弥呼といる時は、まともな配信をするんだな。


すこし、安心して見れそうだわ。


そう思いつつ、配信を開いた。


 


「ひみ様、トイレにいったみたいね。何かいたずらしたいね。うふふふ」


 


コメント


:理さんのいたずらはレベルが違いますからね。


:期待していますね(白目)


:怖いからやめてください。


:理さん、卑弥呼様があなたに優しいからって、調子乗りすぎです。


 


これから、どんな頭のおかしい行動されるか予測できない上に、卑弥呼にも害を与える可能性がある。


そのため、礼儀正しいひみ民が少し怒っているのは、無理もないだろう。


 


 


「ひみ民、照れるなよ。これから面白いことをしてやるから。」


コメント


:許そう。


:許そう。


:照れてませんから。


:卑弥呼様に被害を与えることだけはやめてください。


:いいぞ。やれ。


:許そう。


:卑弥呼なら、許す。


:いたずらしちゃおう。


;卑弥呼はお前に甘いからいいぞ。


 


 


 


ひみ民はおそらく年配が多いため、タイピングが遅い。


そのため、コメントの流れは理リスナーに支配されている。


 


クレイジーなことを行うと、クレイジーなリスナーがついてきており、ネットではそういったやつの方の発言力が強くなる傾向があるのが怖いところだな。


俺のコラボだったら、頭のおかしい豆民と悪い意味で同調しそうで怖い。


しかも、コラボ相手が恐怖の大王の卑弥呼だからこれでもコメントの勢いは弱いほうなのだ。


 


「ちょっとまっていて。」


理は急いで、この場を去った。


がさがさとタンスを漁っているような不気味な音が聞こえてくる。


 


コメント


:何をするんだ。楽しみだわw


:楽しみw


:卑弥呼様のタンスを漁らないでください。


:いいぞ。


:いいぞ。やれ。


ひみ民はやはり、理リスナーに負けて、コメントの流れを完全に奪われている。


正直、今だけは、ひみ民がかわいそうに思えてくる。


あの漁る音は、きっと恐ろしいことが起こる前兆だ。


 


「あははははは、これなんだと思う。ひみ様のブラジャー」


理は高々と笑っている。


 


コメント


:wwww


:wwwwwwwww


:wwwwwwwwww


:wwwwwwwwww


:ガチ恋勢がいないから、許されるw


:wwwwwwwwwwwwww


:wwwwwwwwwwwww


:wwwwwwwwwwwwwwwwww


;wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww


 


 


コメント欄は完全に理リスナーに支配されており、ひみ民のコメントはすべて流されている。


ひみ民が俺を縛り続ける理由は、コラボ相手が理しかおらず、そこの過激派のリスナーに迷惑しているから。


百合百合配信は、ひみ民のほほえましいコメントも多いし、卑弥呼自体が、理に依存しているため、理自体は、ひみ民に嫌われてはいないと思う。


 


ブラジャーを持ってきている時点で異常だが、理の今までの行動を考えたら、まだましだ。


 


 


「服の上から、ひみ様のブラジャーをつけちゃおう。」


理は、ニコニコしながら、言っている。


「ことちゃん。ケチャップないから、買ってきて」


卑弥呼がおそらく、台所と思われる場所から少し大きめな声でお願いしている。


 


「分かった。」


理は外に出ていった。


 


一時すると、卑弥呼が動き始めた。


「ことちゃんおかしなことしていない?」


コメント


:ブラジャーつけたw


:卑弥呼様のブラジャーをつけています。


 


「ことちゃんじゃなければ、半殺しにしているわ。


ことちゃんに対して甘いのは自覚しているけどね。


何でも許してしまうのは病気かな。」


 


コメント


:理さんに対して甘いです。そろそろエドワードさんに乗り換えましょう。


:卑弥呼様はコミュ障だからしょうがないところもある。


:卑弥呼様のお笑いのセンスがゲテ物好きなんだからしょうがないね。


:病気だから。ひみことは、ポンコツ箱入り娘がママになれる素晴らしい機会だからね。


:エドワードさんの比率を少し上げましょう。


 


エドワードとののコラボを増やしましょうというコメントに対して、先ほどの同情が消えて、嫌悪感が湧いてきた。


本当に、ひみ民の囲い込みは怖いわ。


 


卑弥呼の配信から、パトカーが走っている音が聞こえてきた。


「物騒だね。自宅の近くで何か起こっているのか。我、怖いわ。」


コメント


:物騒だね。


:道通っているだけだよ。


:すぐにパトカーの音消えるよ。


 


「あれ?大きくなっている気がするんだけど」


卑弥呼は、少し苦笑いになっている。


 


卑弥呼の玄関先からトントンと音が聞こえてきた。


 


「我、出ていくからね。ちょっと待っていてね。」


卑弥呼はミュートを忘れて、玄関に出ていってしまう。


 


コメント


:卑弥呼様、ミュートをお願いします。


:ミュート。


:卑弥呼様、個人情報が漏れる可能性があります。


 


この流れはどこかでみたことあるな。


こういうのって、基本的におかしなことが起こるんだよな。


なぜか、このことを思い出そうとすると、頭がガンガンしてくる。


 


玄関から、すこし音が漏れてきた。


「警察ですが、お時間ありますか?」


 


「時間はありますけど、なんですか?」


 


「先ほど、変質者が出没したのですが・・・」


 


「変質者とは関係無いので帰ってください。仕事中です。」


卑弥呼は警察を追い返そうした。


 


「そうですか。やはり、変質者の虚言でしたね。


町の中、ブラジャーをつけて、買い物しているやつですからね。」


「この変質者に、心当たりしかないです。今すぐ同行させてください。」


卑弥呼は大声を出して、急いで配信を切った。


 


コメント


:神回wwwwwwww


:オムライス作りで、警察とコラボはやばいwwwwwwww


:警察wwwwwwwww


:オムライス作りは犯罪なのかwwww


:理伝説がまた1つ更新されるなw


 


普通の俺なら、笑って過ごしていたのだろうけど、


配信でこんなやばいやつと、サシコラボしないといけないことに胃に穴があきそうになっていた。

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